カレッジマネジメント242号
25/87

25パブリックには大学の職務で動いているんですけど、それ以前から産官学連携ネットワークの「学」の代表という形で色んな場に顔を出していました。かつての文部科学省の事業では、地元就職率をあげるということがKPI にありましたので、そこを意識したイベントを作りましたが、そこに主体的に参加する学生は、やっぱり次のチャレンジのフィールドを探して出てってしまう。学生達が山梨で活躍するためには、山梨にチャレンジできる場を作ること、そして地元の企業や大人達に、どうすれば学生に選ばれる地域になるのかを教えていくことが、私のミッションだと思ってます。小野寺 私は今、山形大学のアントレプレナーシップ教育研究センターでセンター長を務めています。民間でPCの企画や開発リーダー、役員等を経験し、2017年に国際事業化研究センターのセンター長として大学に呼ばれました。大学の知財を対外的にオープンにし、企業や金融機関までをつなげ、シーズから新しいイノベーションを生み出す仕事でしたが、より高い経済効果を生み出すことを目指して、山形県との連携を強化し、スタートアップやベンチャーを生み出すことを始めました。2年前にはアントレプレナーシップ教育研究センターを立ち上げ、地域性に合ったソーシャルイノベーションを作り出すこと、さらにはそれを担うソーシャルイノベーターをどう作り上げるかをミッションとすることになりました。小林 「産官学連携コーディネーター」の役割について、明確に定義されているものはないようですが、一人のコーディネーターの範囲は非常に多岐にわたるように思えます。小野寺 急スピードで進む人口減少と、低下する経済エコシステムの中で、一人のコーディネーターが大学の様々な役割を担えということが、そもそも無茶でナンセンスだと思います。テクノロジーで解決するものもあれば、仕組みとか法律を変えなければいけない場合もあります。ですから、産官学金の有識者が集まる「場」を作り、全体の視点から課題を解決する必要があります。 小林 解決すべき地域課題も複雑になるなか、大学のコーディネーターの役割も過去とは異なる複雑さがあるわけですね。小野寺 私が立ち上げた山形県のソーシャルイノベーション創出モデル事業「Yamagata yori-i project」では、セクターを超えた力を結集し、データをもとに取り組む課題解決手法「コレクティブ・インパクト」の手法を導入しています。ソーシャルデータを見ながら、現在、yori-i projectに参加する企業は160社です。そういった産官学が参加する集団を作り、地域性を考えた課題解決をリードすることがコーディネーターの役割だと思っています。小林 大学の組織の外に、別の組織を作るということになるのですかね。小野寺 そうです。20 代のコーディネーターが今6人います。そこでイノベーターを育成しながら社会課題を解決する仕組みを作っていく。その仕組みを色んな地域に転写し、そのコーディネーターがその地域のリーダーとなって活躍するというようなエコシステムを作り上げていくことがベストな方法だと考えています。産官学連携コーディネーターとしてのミッションは特集1● 産学官共創の未来山梨にチャレンジできる場を作ること、どうすれば学生に選ばれる地域になるのか地元の企業や大人達に教えていくこと。(杉山)地域性に合ったソーシャルイノベーションを作り出すこと、それを担うソーシャルイノベーターを作り上げること。(小野寺)

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る