カレッジマネジメント242号
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到達したい目標333)おわりに~プロジェクトの推進に向けてる。さらに、地域住民の理解と協力を得ながら、流域治水の取組みの実証等に取り組んでおり、市民を巻き込んだ活動へと進展させつつある。また、本拠点では、代表機関である熊本県立大学、幹事自治体の熊本県、幹事企業の肥後銀行が拠点ビジョン実現に向けて一丸となって取り組む体制を整えている。こうした県をはじめとする自治体や地域のネットワークを有する地方銀行との強固な連携、及びそうした機関からの支援も拠点の強みの1つであろう。本プログラムでは、既に述べたように、各拠点が解決したい社会課題等を踏まえつつ「ありたい姿/社会像」を拠点ビジョンとして掲げ、そこからのバックキャストによりイノベーションに資する研究開発を進めるとともに、自立的・持続的な拠点の形成が可能な産学官共創システムの構築を目的としている。しかしながら、ありたい姿/社会像と自身の有する強みや特色とを組み合わせながら、拠点ビジョン実現に向けたストーリーを論理的な根拠を持って描き、それを実現することは簡単ではない。また、代表機関である大学に加え、企業や自治体等から実質的なコミットメントを得つつ、産学官により研究開発から社会実装までを効果的・効率的に推進する機能と体制を有するシステムを構築することは、困難を伴い容易ではない。ⅰ 第1領域(データ駆動型ヘルスケア)、第2領域(心と体の健康)、第3領域 (資源・エネルギー循環型社会)、第4領域 (持続可能で豊かな食と農林水産業)、第5領域 (持続可能な社会インフラ)ⅱ 参考:科学技術振興機構「COI プログラム全体評価 活動実績報告書」、文部科学省「令和5年版科学技術・イノベーション白書」ⅲ 参考:https://www.pu-kumamoto.ac.jp/plannning_flood-control/一方で、2020年度にプログラムが開始され4年が経過し、中規模大学や地域の大学等を含めた機関を代表機関として本格型27拠点が活動しているが、拠点設立の背景や大学等が有する強み/特色も様々であり、全ての拠点が本プログラムの目的達成に向けたイノベーション創出の仕組み作りや産学官共創システムの構築のノウハウや実績/経験を必ずしも十分に有しているとは限らない。そうした状況の中、各拠点は目的達成に向けて自ら探索し、2つの事例で見られたように、多様なステークホルダーとの共創を含めた取組みを進め、一定の成果が創出しつつあるが、その過程においては、他拠点での好事例を参考することも有用であると考えられる。全ての拠点に適応可能な手法はないものの、他拠点での運営ノウハウをはじめとする取組状況等を参考としつつ、拠点活動の加速や成果最大化を目指していただきたい。また、本プログラムでの各拠点の取組手法については、各大学の置かれた環境等が異なり、必ずしも他大学等がそのまま取り入れられるとは限らないが、各大学等でイノベーション創出の仕組み作りや産学官共創システムの構築の一助にされることを期待する。ForwardCasting Approach図3 バックキャスト・アプローチのイメージ現在ギャップイノベーション特集1● 産学官共創の未来BackCasting Approach+10年+30年ありたい姿/社会像時間

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