カレッジマネジメント242号
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39ネートする「コーディネーター」の役割が重要になる。「コーディネーター」と一言に言っても、その役割は多様で、その実態はなかなか分かりづらい。そこで、新たな基幹産業の創出に向けて動いている自治体を取材するとともに、産学官連携を進めるための観点を整理し、コーディネーターにその役割と今後のあり方について話を伺った。取材やインタビューから分かってきたことは、①組織の壁や従来のしがらみにとらわれないよう、大学や自治体の外部に組織を創り、そこに産学官金が集いサポートしていく仕組みを作ること、②研究者個人ではなく、組織と組織との関係性を強化すること、③コーディネーターに組織の壁を越えて動けるような権限を与えること、④コーディネーターは、知識や経験がある者だけでなく、マーケット視点を持ち、地域の課題を自分事として考えられる熱い思いのある若い世代を育成していくこと、⑤自治体には、単なるオペ※1 総務省 住民基本台帳人口移動報告 2023年(令和5年)※2 リクルートワークス研究所「未来予測2040」(2023年3月)レーションではなく、プロジェクトをまとめながら、新たなものを生み出す役割が求められていること、等である。日本は狭いようで広い。地域によって産業構造や資源、気候も大きく異なっている。当然、地域ごとにどのような基幹産業、産業クラスターを創出していくのかは異なる。他地域のグッドプラクティスを共有しながらも、地域の各セクターが“協創”して知恵を絞っていくことになる。一方で、本特集の取材では、様々なところで地方公共団体、産業界、大学それぞれのセクター間におけるコミュニケーション不足が、課題として挙げられていた。地域産業にどのようにイノベーションを起こしていくのか、産・官・金とどのようにコミュニケーションを取っていくのか、どのような資源が活かせるのか、『知の拠点』である大学にかかる期待は大きい。リクルート カレッジマネジメント242 │Oct. - Dec. 2024特集1● 産学官共創の未来

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