カレッジマネジメント242号
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INTERVIEW視点提供インタビュー 42女性役員比率30%を阻むアンコンシャス・バイアス政府は今年6月に、女性活躍や男女共同参画の重点方針である「女性版骨太の方針2024」を決定した(図表1)。大きな柱の一つが、企業等における女性活躍の一層の推進だ。企業における女性の採用・育成・登用を強化する。掲げられたのは、東京証券取引所プライム市場の上場企業の「女性役員比率を2030年までに30%以上/2025年までに19%」「2025年までに女性役員ゼロ企業を0%」の目標だ。ただ現状は厳しい。世界経済フォーラムが発表したジェンダー・ギャップ指数において、日本は調査対象の146カ国中118位と低迷を続けている。特に、主要国と比較して管理職に占める女性が少ないのだ。「自然増では、この目標はまず達成しないでしょう」と警鐘を鳴らすのは、女性管理職育成に詳しい、株式会社ワークシフト研究所小早川 優子氏だ。「目標達成にはトップダウンでのアファーマティブ・アクション(「積極的差別是正措置」特に男女格差の是正を日本では指す)が急務です」と話す。しかし、その是正は容易ではない。阻むのは、「女性に対するアンコンシャス・バイアス」だと小早川氏は指摘する。「社会のマジョリティである男性の多くは、『子どもを持つ女性は、仕事よりも育児や家事を優先するもの』という偏見を未だに持っています」。女性の正規雇用比率が25〜29歳をピークに大きく低下し、その後も上昇しない「L字カーブ」はその証左と言えよう。出産後の育児・家事と仕事の両立が難しく、離職を余儀なくされてきた。さらに、女性リーダー像が多様性に欠けることが、女性の昇進意欲を削ぎ、結果的に数が増えない理由だと小早川氏は言う。実際、管理職昇進の打診に、半数以上の女性が消極的であるというデータもある。「男性管理職は、独身の人、父である人、寡黙で頭脳明晰な人、チームの統率力に優れた人、口下手なのに営業力がある人、なかには『デキない』人もいたりと実にタイプが多様。一方、女性管理職となると、男性並に長時間働けて、優秀で、やる気も高い『スーパーウーマン』という画一的な像しか浮かび上がらない。男性は企業のマジョリティであるが故に多様なロールモデルから無意識にキャリアを選択できているのに対し、マイノリティである女性は、少数かつ多様性に乏しいロールモデルしかいないため、自分にリーダーが務まるイメージが持てず尻込みしてしまう。『あそこまで働けない』『ああいう管理職にはなりたくない』と自信喪失してしまう方が多いのです」。個人のスキルや意欲、意思の問題ではなく、社会の構造慶應義塾大学大学院経営管理研究科経営学修士/米国コロンビアビジネススクール留学(MBA)外資系金融機関に約15年勤務。第二子出産後、両立の壁に直面し退職。「育休プチMBA®」に出会い起業。講師として年間100回以上登壇。著書に『なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか』(日経BP)株式会社ワークシフト研究所 代表取締役社長小早川 優子氏社会が求める女性活躍の形

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