カレッジマネジメント242号
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DATACASE STUDIES14618年間の実績あるリカレント教育のパイオニア「DX×女性活躍」でスキル・マインドを醸成日本初の女性のための総合大学として1901年に誕生した日本女子大学。創立者成瀬仁蔵の生涯教育理念「幾歳になっても、青年のような旺な精神を以て(略)境遇を開いて行く」に呼応する形で、リカレント教育課程を開設したのは2007年だ。その後、リカレント教育課程を全学組織(学内委員会)に位置づけ、18年にわたる活動の中で、2022年度には学内組織と外部機関で意見交換する評価システムを整えた(図表1)。2007年の「再就職のためのキャリアアップコース」、2021年の「働く女性のためのライフロングキャリアコース」開講に続き、昨年10月には新たに「次世代リーダーを目指す女性のためのDX人材育成コース」(以下、DXコース)を開講、現在3つのコースを運営している。DXコース立ち上げの発端は、文科省「成長分野における即戦力人材輩出に向けたリカレント教育推進事業(2022年度)」の採択にある。事業では「産業界等のニーズ把握とプログラム開発の一体的な体制整備」が要件だったため、2023年度に企業や地方自治体等の協力を得て「DX推進事業実施委員会」も発足している。DXコース開講の課題意識について、生涯学習センター所長の髙梨博子教授は、①リスキリングによるDX人材育成という社会ニーズへの対応と、②ジェンダーギャップ指数の解消の2本柱を挙げる。教育の特徴は「DX×女性活躍」をテーマに、デジタルスキルと管理職マインドを一緒に学ぶ点だ(図表2)。「DXを学ぶコースはほかにもあるが、女性がDXを駆使して職場でリーダーシップを取っていくために、スキル・マインドの両面で教育を行っているところはなかなかない。ここが女子大として本学が強調したい点だ。また私立女子大で唯一理学部を有する大学として、コース開設や科目の編成、授業など、あらゆる面で理学部の協力を得ている」と強みを語る。受講生のイメージは、働く女性の様々なレベルを想定した①A人材(DXの全体像を把握したいと考えるマネージャー職)、②B人材(チームリーダーなど将来の管理職候補)、③C人材(基本的なDXスキルがあり、キャリア意識の高い若手)と、働く女性の様々なレベルを想定。ミスマッチをなくすために、応募要件はITSSレベル1以上を前提とし、書類・面接で可否を判断する。修了レベルはITSSレベル2以上としている。DXコースの科目は、ビジネススキル、パーソナルスキル、デジタルスキルの3つの観点で構成されている(図表2)。選択必修の「DXシステム概論」はDXの基礎を学ぶ概論、「DX推進事例研究」は企業・団体の実務家によるオムニバス形式の授業で、現場でDXを進めるには何が大事なのかを受講生に考えてもらう科目だ。理学部教授でDXコースの主担当である石黒亮輔リカレント教育課程主任は、「本学は文科省『数理・データサイエンス・生涯学習センター所長日本女子大学学生数6422名(学部6165名・大学院257名) 6学部(家政、文、理、人間社会、国際文化、建築デザイン)リカレント教育課程主任髙梨博子 氏石黒亮輔 氏日本女子大学社会で活躍する女性を育てる女子大学新しい女性活躍のあり方や働き方をカリキュラムに反映し、企業や地域を担う女性リーダーを育成している3つの女子大学の取り組みを取材した。企業と一緒にリスキリングで女性のDX人材を育てる

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