49高大接続で意欲を掘り起こす「アントレ入試」女子大学であることのブランドもう一つのキーワードが「経営×ICT×デザイン」だ。Society5.0社会のビジネスにおいてデザインとICTを使いこなす力は必須と考えた。「リーダーシップ開発演習Ⅱ」では、実際にプロダクトを作る徹底した体験教育により、デザイナーの意図を汲み取る力を学んだうえで、企業の課題解決に取り組むデザイン思考を理解する。AIとデザインが融合した生成AIの登場で、デザイナーでなくてもデザインの価値創造ができるようになった。デザイン思考でコスト削減や効率化を推進できる人材は、今後企業に貢献することになると吉地副学長は予測する。高いレベルのカリキュラムを乗り切る強い意欲と主体性のある学生を掘り起こそうと、総合型選抜「アントレ入試」を導入した。アントレとは、①アントレプレナーを目指すような強い意欲や主体性と、②アントレ(=between)の意から、高校と大学の教育を接続する入試という意味を持つ。オープンキャンパスでは、入試の書類審査に使う「探究学習報告書」「活動報告書」を教員と一緒に作成する「報告書作成ゼミ」を複数回開催している。高校の入試対策の負担を大学が引き受ける形で、教員一人に対し生徒4人で行う90分間のゼミナール形式は手厚い支援だ。定員5名に対し、初年度は20名が合格した(2025年度入試は定員を15名に変更)。「報告書作成ゼミには2回、3回と来てくれる生徒さんもいて、入学してからもとてもやりやす他者と協働できる人材に必要なリーダーシップの基本的な知識とスキルを身につけるグループワークを通じて、自分なりのリーダーシップの発揮の仕方を体感しながら、他者と協働するスキルを身につけるデザインプロセスを学び、課題発見・課題解決のスキルを身につけるプロジェクトデザイン手法を体験的に学ぶ①デザインのための視点を養う②プロジェクトグループワークで実践するい雰囲気を作ってくれる」と高い効果を実感している。なお経営学部全体の定員80名に対して入学者は82名で、意欲も高く、授業のほとんどがPBLを含むアクティブラーニングという学びの違いに期待する雰囲気が醸成されているという。共学化ではなく女子大学を選択した同大学。吉地副学長は「武蔵の礼節が本学の競争力であり、短大の評判が四大の期待感にも繋がっている。共学化は志願者を増やすかもしれないが、一番のブランドが毀損してしまう」と話す。さらに共学で男性リーダーの下、子ども時代の経験を再生産するよりは、性差を意識せずに学べる環境で、女性リーダーを創出する価値は大きいと続ける。宮本准教授も、開学のため1年前に男子が多い大学から女子短大に着任し、女子だけになったときのパワーに驚いたという。「女性同士で素直に認め合いながら自分も力を発揮したい、そういうアイデンティティを形成するのに女子大は恵まれた環境」と語る。「女性の活躍の場が社会の中心に据えられ、マイノリティがマジョリティになっていくと信じている。卒業後にジェンダーギャップで苦しんでも、大学で学んだリーダーシップで突破していける、そんな女子学生を育てていきたい」と吉地副学長。4年後の完成年度に期待が膨らむ。「リーダーシップ開発演習Ⅰ・Ⅱ」で培った「人間関係スキル」と「デザイン思考」を応用し、実際の経営課題に取り組む産学連携によって実際の企業で展開する新しいビジネスアイデアを提案し、サービスを構想・計画する(文/能地泰代)図表1 3段階のリーダーシッププログラム(PBL)特集2● 女性活躍推進と女子大学目的方法リーダーシップ開発演習Ⅰ①自己理解 他者理解1年前期目的方法リーダーシップ開発演習Ⅱ②デザイン思考1年後期目的方法リーダーシップ応用演習③産学連携2年前期
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