DATACASE STUDIES350体系的な地域連携プログラムを構築京都市や企業が科目全般で強力にバックアップ京都女子大学は、全学生が参加する体系的なプログラム「女性地域リーダー養成プログラム(副専攻)」を2017年に構築し、地域連携による京都市の課題解決に取り組んできた。きっかけは、学内の地域活動の全容を本部で掌握し、学生の危機管理体制と競争的資金獲得に資する組織的な体制を整えようと考えたことだった。竹安栄子学長は「ちょうど企業の方々からも何か一緒にできないかと申し出を頂いていた頃で、京都市からも『学まち連携大学促進事業』を提案され、様々な条件が重なった」と経緯を振り返る。同事業の要件は、大学の正規科目として連携志向型教育課程を構築するというものだった。竹安学長も長年地域社会学を専門に教えてきて、単発的な連携活動では一過性の自己満足に終わってしまうと感じてきた。「卒業後に一市民として社会にどう貢献していくべきか、その自覚を培うことが地域連携の目的。それを教えるには色んなツールを使って学ぶ機会を与えられる、体系的なプログラムにする必要があった」と語る。2015年に同事業を推進する組織「地域連携研究センター」を設立し、竹安教授(当時)がセンター長に就任した。2016年度から共通領域の中の教養科目として、野村證券、朝日新聞社等による寄附講義4科目を先行スタート。同年10月に事業の採択を受け、翌2017年度から全学の体系的プログラム「女性地域リーダー養成プログラム」として本格始動した。プログラムは、入門科目「連携活動入門」、展開科目「地域連携講座」「産学連携講座」、学部学科で提供する発展科目、PBL型の演習科目からなる(図表1)。既存の寄附講義は産学連携講座に組み替え、2019年度生から共通領域副専攻プログラムとなった。カリキュラムの特徴について、入門科目「連携活動入門」を自ら受け持つ竹安学長は、「本学の学生の特徴として、関心はあっても最初の一歩をなかなか踏み出せないところがある。『連携活動事始め』とあるように、一度は学外に出て、社会の担い手である市民から学生が期待される存在だということに気づかせることが目的」と語る。「地域連携講座」では、女性管理職によるロールモデル講義など、地域や企業の実務家による講義とフィールドワークを体験する。現センター長の中山玲子副学長が担当する「地域連携講座B2」では、「全15回中14回はゲストスピーカーを招き、京都市をフィールドに社会が多様な要素で成り立っていることを学んでいる」(中山副学長)。「産学連携講座」は今年で9年目を迎え、2023年から「産学連携講座A1」にデータサイエンス学部講師による新科目が加わった。「野村證券などは企業の社会的貢献として全国で約100以上の講座を実施している。最近は投資詐欺が増え、学生に正しい知識を知ってほしいという高い理京都女子大学学生数6121名(学部6033名・大学院88名)7学部(文、発達教育、心理共生、家政、現代社会、法、データサイエンス)大学学長副学長 地域連携研究センター長竹安 栄子 氏 中山 玲子 氏 京都女子大学全学生参加の体系的なプログラム「女性地域リーダー養成プログラム」
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