カレッジマネジメント242号
56/87

56高校の情報科高校の情報科は、2003年に全ての高校生が履修すべきものとして始まった。当初は、情報の実践力を重視する「情報A」、情報の科学的理解を重視する「情報B」、情報社会に参画する態度を重視する「情報C」という3科目であった。学習指導要領の改訂により、「情報B」は「情報の科学」、「情報C」は「社会と情報」になり、「情報A」はこの2科目に吸収された。現在は、「情報の科学」と「社会と情報」が統合されて「情報I」となり、発展的な選択科目として「情報Ⅱ」が設置されている。「情報I」は、問題の発見と解決を目標とし、情報デザイン、プログラミング、データの活用をツールとして学ぶ。併せて、コンピュータやネットワークの仕組み、情報モラルや法規についても触れる。Society5.0に向かう社会において、国民的素養と呼ぶべき内容を備えた科目であり、大学の数理・データサイエンス・AIのリテラシーレベルの教育に必須のものと言える。国立大学協会が、「情報I」を入試に採用したのは、このようなことが関係している。「情報Ⅱ」は、「情報I」の発展的な選択科目である。情報技術の進展により人間に求められる資質・能力が変わってくることや、情報デザインを活用してコンテンツを作成すること、データサイエンスを活用して多様かつ大量のデータを扱うこと、情報システムを作成することなどについて学び、これらを活用して新たな価値の創造を目指す。特にデータサイエンスは、数学Bと連携して統計的な内容を扱い、データ分析、モデル化、予測、機械学習、人工知能まで学びを進める。前述したように、国立大学協会は、大学入学共通テストで出題される「情報I」を入試科目とした。私立大学等で大学入学共通テストを導入していないところも、個別入試で「情報I」を導入するようにしたほうがよいだろう。入試に数学を導入するかしないかで、大学に入ってくる学生の質が異なってくるのと同じことが、「情報I」でも起こる。「情報Ⅱ」を入試科目として採用しているのは、慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスなど、現在のところ一部にとどまっている。世界との比較で考えた場合、「情報I」で多くの国に追いつくことができ、「情報Ⅱ」まで学べば、高校段階としては、卓越したレベルに達することができる。大学が図2 (一社)デジタル人材共創連盟・大学・企業・NPO等・高等学校・教育委員会等

元のページ  ../index.html#56

このブックを見る