カレッジマネジメント242号
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58リクルート カレッジマネジメント242 │Oct. - Dec. 2024働性等を丁寧に評価する入試は、本学でも大事にしている方式ですし、早期化のトレンドへの対応も一定数は必要ですが、本学としては年内入試でも大学教育につながる基礎学力評価を諦めたくない。高校まできちんと勉強してきた生徒に入学してほしいというのが基本思想であり、年内入試にもその思想を入れていきたいのです」。だから世間のトレンドに「抗う」というわけだ。今回、全学部学科で導入する「学校推薦入試基礎学力テスト型」では、2教科2科目の試験を課す。東洋は一般選抜において、前期・中期は3~5教科、後期は主に2教科を課してきた。25年度からは中期を廃止し、前期・後期ともに3教科以上とするが、基礎学力テスト型では去年までの一般後期と同等の学力を持つ人材がスコープということになる。完全同一とするため3教科とする案も検討されたが、「現在の高校現場の状況を考えると、入試実施時期である12月に3教科を課すことは、授業進度の公平感に課題を残すと考えました」と加藤氏は述べる。そもそも大学入学共通テストが1月実施であることからしても、むやみに多科目入試をこの時期に設定し、高校の学習状況を阻害するように見えてはよろしくないというわけだ。募集人員は全体で578名と大きいが、主に年内入試の定員の組み換えで学力重視の比率を増やしているという。また、経済学部経済学科で総合型選抜(公募制)の出願資格に「学習証明型」を導入するのも、同様の意図である。こちらは、情報連携学部の年内入試で既に22年度から実施している「事前適性検査」を参考に開発するもので、オンラ理事・入試部長加藤建二 氏今号は、新たな兆しを創出する東洋大学の改革をご紹介したい。東洋大学は2025年度入学者選抜より、学校推薦入試基礎学力テスト型(学校推薦型選抜)・自己推薦入試学習証明型(総合型選抜)を導入する。いずれも学力を重視する方式だ。その狙い等について、理事・入試部長の加藤建二氏にお話を伺った。年内入試に学力重視型を導入する意図は大きく3つある。まず1点目について、加藤氏は次のように話す。「年内と年明けの各入試の追跡調査より、本学では年内入試のほうが、入学後の成長度合いにばらつきが大きいことが分かっています」。特に総合型選抜や学校推薦型選抜(指定校推薦)は、良い学生と伸びない学生の振れ幅が大きいという。「昨今指定校推薦は学力上位大学でも多く利用されており、志望度合いに拘わらず出願できてしまうケースが多発しています。どうしても本学に入りたいという受験生だけではなく、有名校ならどこでもいい、といった出願の受け皿にもなりやすいのです」。一方で、年明け入試入学者が伸びやすい理由は、「基礎学力である知識・技能を身につけた状態で入ってくるから」と明快だ。東洋大学の教育にフィットしやすいのはそういう層であり、だからこそ、年内でも学力措置を積極的に講じていきたい。こうした趣旨を加藤氏は「抗う」と称する。「近年年内入試の比率が向上し、多面的・総合的評価の主役として関心が集まっています。もちろん、主体性・協入試は社会へのメッセージ#11事例report 東洋大学 2025年度入学者選抜改革大学教育につながる学力を年内入試でも重視する首都圏の年内入試マーケットに学力評価重視と併願可能のスタイルを導入

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