カレッジマネジメント242号
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産官学金25の機関がプラットフォームに参画62リクルート カレッジマネジメント242│ Oct. - Dec. 2024社会人マーケットの開拓を目指す取り組みに「定石」はない。そこでこの連載では、「兆し」となりうる多様な取り組みをレポートしていく。リカレント教育・リスキリングでは、産業界や地域のその時その時のニーズを把握し、それに応えるプログラムを開発し、更新を続けていく必要がある。一般の学位課程とは異なり、応えようとするニーズが異なれば、各プログラムの内容はもちろん、期間や費用、教育方法も大きく変わってくることになる。そのため、リカレント教育を提供する各教育機関は、持続的な経営を可能にすべくそれぞれ工夫をこらしている。奈良国立大学機構もその一つだ。奈良国立大学機構は、2022年に奈良女子大学、奈良教育大学という二つの大学の法人統合により誕生した国立大学法人である。その経営方針の一つに「地域の自治体・産業界等との組織的な連携を構築し、人材の養成と輩出、地域の課題解決に貢献」という項目があり、リカレント教育への進出はその具体的な取り組みの一つとして位置づけられている。「奈良のためにできること、奈良だからできること。地域の課題解決に本格的に取り組もう、と。二つの大学が統合して研究分野の幅は広がりましたが、奈良には他にも様々な高等教育機関があり、さらに奈良国立博物館をはじめとした研究施設も集積していて、連携すると非常に強力なプラットフォームができあがります。そこで機構に設けられた『奈良カレッジズ連携推進センター』が主体となり、2023年、文部科学省委託事業『地域ニーズに応える産官学連携を通じたリカレント教育プラットフォーム構築支援事業』に応募、採択。11月に産業界、地方公共団体などとともに『なら産地学官連携プラットフォーム』を発足させたのです。その中に設けられたリカレント教育タスクフォースには、現在(2024/8/15時点)25の機関が参画しています」。これまでの経緯について、同センターの副センター長である松田文雄特任教授はそう語る。同事業では、県内企業の人材育成ニーズの調査、県内学術機関の教育コンテンツ(シーズ)のデータベース化、トライアル講義の実施などに取り組んだ。その取り組みを踏まえ、この2024年10月からはいよいよ、「なら産地学官リカレント教育プログラム」の提供が開始される。プログラムのテーマである「新産業創出のための戦略」「教育イノベーション推進」「人生100年時代の戦略」「ならの歴史・文化・地域課題探究」はそれぞれ、人材育成ニーズの調査結果をもとに、プラットフォームに参画した企業と検討を重ねられたものだ。昨年、対面、オンライン、オンデマンドと奈良カレッジズ連携推進センター2023年に実施されたトライアル講座の様子奈良カレッジズ連携推進センターリカレント教育推進部門部門長副センター長 特任教授松田文雄 氏トライアル講座で構築されたLMSの画面特任教授伊﨑昌伸 氏奈良国立大学機構 なら産地学官リカレント教育プログラム統合で誕生した法人の経営方針を具現化。専門組織を設け、地域ニーズに適ったプログラムの持続的な開発・更新を図るシリーズ リカレント教育最前線 ⑧

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