010リクルート カレッジマネジメント244 │Apr. - Jun. 2025図1 大学進学者数の将来推計はじめに今後の高等教育の目指すべき姿寄稿(万人)706050403020102021文部科学省高等教育局企画官(併) 高等教育政策室長20252030令和5年9月、文部科学大臣から中央教育審議会に対して、「急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方」について諮問が行われた。その後、同審議会大学分科会の下に高等教育の在り方に関する特別部会が設けられ、総会4回、大学分科会7回、特別部会15回(合同会議を含む)にわたって審議が重ねられ、本年2月21日に中央教育審議会答申「我が国の「知の総和」の向上の未来像~高等教育システムの再構築~」がとりまとめられた。本稿では、本答申の主なポイントについて紹介する。気候変動等の環境問題や、緊張化する国際情勢、世界経済の不安定化等の世界情勢に加え、我が国において最も重要な課題の一つは少子化である。特に、大学進学者数の推計として、現在約63万人いる進学者が2035年には約59万人、2040年には約46万人となり、現在の定員規模の約73%へと大幅に減少すると予測される(図1)。そのようななか、目指す未来像とは、一人ひとりの多様な幸せと社会全体の豊かさ(well-being)の実現を核とした、持続可能な活力ある社会である。そして、育成する人材像は、このような社会の担い手や創り手として、真に人が果たすべきことを果たせる力を備え、人々と協働しなが10ら、課題を発見し解決に導く、学び続ける人材である。目指す未来像の実現のためには「知の総和」を向上することが必須である。「知の総和」は、人の数と、人の能力の掛け合わせで決まる。「知の総和」の向上のためには、教育研究の質を上げ、社会的に適切な規模の高等教育機会を確保し、地理的・社会経済的な観点からのアクセス確保によって高等教育の機会均等の実現を図ることが必要である。ここでいう質とは、教育研究の質を図ることで学生一人ひとりの能力を最20352040(年)中央教育審議会答申我が国の「知の総和」向上の未来像~高等教育システムの再構築~について髙見英樹
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