特集1機会としての通信教育PART123通信制高校に行ったからこそ知った多様な学びの選択肢の存在学費に加え「家から通える距離」であることを考慮中高一貫のいわゆる進学校に通っていましたが、高校に上がって2週間ぐらいで通えなくなってしまい、辞めてしまいました。定時制高校には、期の途中からの編入ができず次の年度まで待たなくてはならないということで、結果として通信制という選択になったという感じでした。今の高校を選んだ一番の理由は、私立と比べて公立のほうが学費が安いという点です。公立の中でも家から通える距離にあるという点も考慮しました。週に約1回×5、6カ月の通学時間の自由度が高い高校生活授業は学校に通学してリアルで受講するという形。自宅で授業を受けるということは全くありませんでした。月曜と水曜の夜17:00〜21:00の間と、日曜日全日で行われていて、その中から自分が取りたい科目を選択して学びます。1科目につき所定のスクーリング時間を履修すれば、通学の必要はありません。授業は、先生が黒板を使って解説するというスタイルで、理科の実験やPCを使った情報の授業等もありましたが、双方向コミュニケーションはほぼなかったですね。レベルは難しくなく、課題のレポートも一瞬で終わってしまう量でした。期初から9月か10月ぐらいまでの間、平均週1度の頻度で通学して授業を受け、あとはテストを受ければ卒業まで行ける、という感じでした。生徒の年齢層は20代くらいまでが多く、大人っぽい方もいた印象です。高1の頃は8月に編入してからの半年はコンビニでアルバイトをしたりして過ごし、2、3年になってからは受験勉強として、スタディサプリの動画を見て自分で勉強していました。3年生のはじめに進路指導の冊子が自宅に送られてきて、一度は進路検討のためのホームルーム的なものに参加する機会はありましたが、大学に行くことは自分の中でしっかり決めていましたし、特に進路選択段階で学校の指導をリクルート カレッジマネジメント244 │Apr. - Jun. 2025京都府公立高校通信制 2025年卒。公募推薦で4月から京都先端科学大学人文学部心理学科に進学。好きな科目は理系で、科学者として研究分野に進むことを考えている。頼りにするということはなかったと思います。 自分でキャンパスに足を運んでみて、落ちつけそうな場所があるか、毎日通えそうな環境か等、自分が実際に見て得た実感値に従って選びました。ネットの通信制大学も少し考えましたが、私の場合は見えない不安もあったので、選びませんでした。11月頃に自己推薦で京都先端科学大学人文学部心理学科に合格しました。英語と情報の教育に力を入れていることがこの大学を選んだ理由。やりたいことが決まっていないので、将来何を目指すにしても英語と情報は最低限必要だと思ったからです。 多様な選択肢を持つことを知り得た通信制高校の場通信制の良さを挙げるなら、やはり自分のペースで学べることだと思います。1、2カ月体調が悪くて休んでも、3年での卒業を諦めなくてもいいという点で気持ちに余裕が持てたと思います。生徒同士の交流等、ある程度の高校生らしい生活も期待していたので、入学後には正直ギャップもありました。それでも3年間通信制高校に通ったのは、高校からある程度の課題を与えられて、それを解いて進めるというカリキュラムに沿った道筋を与えてもらえたこと。自分だけの力だったらだいぶ困っていたと思います。 また、学校のサポートとしては、3年の時に月に1回程度、スクールカウンセリングを活用して、悩んでいることを話せたのは良かったです。日常のふとした嫌な思いを話しながら、モヤモヤしたものがほぐれていったという感じです。4月からは心理を学びますが、この先も視野を広く持って、違う分野を学んでみたり、大学院や海外に行く等、多様な選択肢を持っていたいです。そう思えるようになったのも、通信制高校で色々な人が学んでいるのを見たからこそ。かつては進学校行って偏差値の高い大学に入ることこそが正しい道だという考え方を良い意味で壊してくれたと思います。「道は一つじゃないんだ」と知ることができました。前田瑞葵さん(18歳)
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