カレッジマネジメント244号
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Report通信制大学には、『教材を授業にする仕掛け』があるリクルート進学総研 主任研究員(社会人領域)乾 喜一郎リクルート カレッジマネジメント244 │Apr. - Jun. 2025京都大学大学院 教育学研究科 准教授田口真奈 氏桜美林大学 教育探究科学群 教授日本通信教育学会 会長鈴木克夫 氏リポート技術の取り込みも盛んだ。「通信制大学には『教材を授業にする仕掛け』があるんです」。そう語るのは、京都大学で長くオンライン教育を研究してきた田口真奈准教授。コロナ禍でのオンライン教育の調査研究を経て、通信制大学に注目。長く通信制大学を研究してきた鈴木克夫桜美林大学教授らと共に通信制大学10校への訪問調査を行い、その成果を『越境する通信制大学-学びのゲームチェンジャー(仮)』(田口真奈・澁川幸加・寺尾 謙・鈴木克夫編著 東信堂 2025年5月発行予定)にまとめた。「ずっとeラーニングについて研究してきましたが、どん通信制大学はどのように教育を行っているのか、コロナ禍を経て、それはどのように変化しようとしているのか。社会人向け通信教育専門誌の編集長を長く務めた経歴を持つ乾が、オンライン教育を専門とする京都大学大学院・田口真奈准教授、日本通信教育学会会長でもある桜美林大学・鈴木克夫教授へのインタビューと3つの事例を通してレポートする。通信制大学を検討する社会人を読者対象とする専門誌『スタディサプリ通信制大学2025年度版』(リクルート2025年1月刊)は、各通信制大学による教育の内容を実際に学ぶ社会人へのインタビューとともに掲載している。これを見ると、現在の通信制大学がいかにICTを活用しているかが理解できるだろう。教材はオンラインで提供され、スマートフォンで見ることができる。印刷教材はPDF化、オンデマンド動画は隙間時間を活用できるよう短時間の単位で編集されている。レポートの提出や添削の返送、質問への対応は専用のコミュニケーションツールを通してタイムラグなく行われている。ディスカッションはもちろん、実験のようなこれまで対面でしか行えなかった授業もオンラインで行われ、もはや卒業までオンラインで完結できる大学は珍しくはない。マイクロクレデンシャルの認定にオープンバッジを導入したサイバー大学(本誌241号32ページ)や生成AIの活用を目指す東京通信大学(Case2)のように、最新30ICT化の進行により通学制との境界はあいまい化。大学通信教育は「学生の多様性」「出口管理の重視」を特徴とする独自の存在にPART3大学通信教育・遠隔教育と社会人学習者の現在

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