カレッジマネジメント244号
51/79

るリクルート カレッジマネジメント244 │Apr. - Jun. 2025特集2専門学校 進化のベクトル51専門学校の存在意義の進化 4つの観点※:( )内の数字は学校数については全専門学校数(2,693校)、学科数については専門学校のうち修業年限2年以上の学科数(7,178学科)に占める割合。(専門学校数・学科数は令和5年度学校基本統計による。)出典:文部科学省HP 「職業実践専門課程」の広報資料および専門学校(専修学校専門課程)における「職業実践専門課程」の認定等(令和5年度)について より編集部作成(文部科学省「実践的な職業教育機関としての 専修学校の教育の質保証・向上と振興に向けて」より一部抜粋)専門学校のうち、企業等と密接に連携して、最新の実務の知識・技術・技能を身につけられる実践的な職業教育に取り組む学科を文部科学大臣が「職業実践専門課程」として認定している。平成25年度から令和5年度までの認定等と合わせて、現在合計で1,110校(41.2%)、 3,199学科(44.6%) ※が「職業実践専門課程」として認定されている。「職業実践専門課程」と認定されている専門学校の学科の特徴1) 企業等が参画する「教育課程編成委員会」を設置してカリキュラムを編成してい2)企業等と連携して、演習・実習等の授業を実施している3)企業等と連携して、最新の実務や指導力を修得するための教員研修を実施している4)企業等が参画して学校評価を実施している5)学校のカリキュラムや教職員等についてHPで情報提供している学校教育におけるプログラムを、教育段階及び分野(普通または職業プログラム)ごとに整理し、各国間で比較可能とする分類。ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が決定する。専門学校の高度専門士の位置付けについては、国内では、平成17年 (2005年)以降、高度専門士の認定課程と同様の条件を満たし文部科学大臣の指定を受ければ大学院入学資格が認められる制度となっている。しかし、ISCEDにおいては、短期大学や2年制の専門学校と同じレベル5に位置付けられてきた。 高等教育の資格の承認に関するアジア太平洋地域規約(東京規約)の発効後6年が経過し、令和5年(2023年)には世界規約も発効した。こうしたことを踏まえ、高等教育の国際通用性を高めるなどの観点から、教育未来創造会議で取上げられ、当会議でも議論がなされた。これらを踏まえた文部科学省からの情報提供を経て、OECDが令和5年(2023 年)6月に公開した“Education GPS”内の“Diagrams of education system”では、高度専門士がレベル6に位置付けられている。小林 今お話しいただいた職業教育の価値、あるいは専門学校の価値について、多さんはどうお考えですか?多 専修学校は制度が発足して50年の節目を迎えようとしています。この半世紀、時代の変遷とともに、社会のニーズが多様化あるいは高度化していくなかで、専門学校は実践的な職業教育の充実に努めながら、優秀な職業人材の継続的な育成、輩出に尽力し、社会に貢献してきました。近年は第4次産業革命やSociety5.0の実現に向けて技術革新が進み、産業構造が大きく変化を遂げています。また、これに伴いグローバル化やボーダレス化も進み、国際競争が激化の一途を辿っています。加えて、少子高齢化が進み、生産年齢人口は減少。私達を取り巻く社会環境は大きな変革期を迎えています。こうした環境下で、日本が持続的に発展していくには、様々な職業において、個々の能力や生産性の向上が必要不可欠であり、これに伴い、学び方や働き方も多様化していくでしょう。従来の単線型ではなく、「アカデミック・ライン」を確立し、多様な学びの選択肢を提供していくことが必要です。こうした動きに比例して、専門学校の存在価値もより進化していくでしょう。その根拠を、4つの観点から示します。第一に、「多様な学生の受け入れ」です。現在、高校新卒者Keyword職業実践専門課程以外にも大卒や社会人といった既卒者、昨今増加傾向の留学生等、多様な学生を受け入れています。なかでも、社会人の学び直しの重要性は今後一層高まるでしょう。リカレント教育やリスキリング等、専門学校における実践的な職業教育を通じてスキルをアップデートし続けていくことは、これからの多様なキャリアに必須です。また、優秀な留学生を計画的かつ積極的に受け入れて、地域を支える専門職人材に育て上げ、令和5年度から制度化された「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」も有効的に活用しながら、就労につなげていかなければならないと思っています。第二に「職業教育の充実」です。企業と密接に連携して教育を行う職業実践専門課程は、高等教育における職業教育のあり方を制度的に可視化し、産業界の要請に応え続けてきた、専門学校教育の本質であり、その充実が今後も期待されています。また、時々刻々と変化する社会や時代のニーズに即応した教育課程の編成や、今後あらゆる分野で必要とされるデジタルリテラシーへの対応等、柔軟かつ有効的な教育が、専門学校の強みだと思います。そして第三に「専門職人材の継続的な輩出」です。専門学校は大学等と比較して、卒業後の地元での就職率が高い。成長分野に資する高度専門職人材から、地域を支えるエッセンシャルワーカーに至るまで、多様かつ必要な人材を輩出し、地域社会のインフラ維持に大きく貢献してきました。今後は産官学で、真に地域で必要とされる人材像と、その育成確保に向けた議論とを進化させていく必要があります。最後に四点目として「国内外の通用性」です。今般の改正Keyword国際標準教育分類 ISCEDと「プロフェッショナル・ライン」という教育体系の複線化

元のページ  ../index.html#51

このブックを見る