23リクルート カレッジマネジメント244 │Apr. - Jun. 2025全分野に必要なデジタルリテラシーを涵養する学校種としての明確なアイデンティティ専門学校が選ばれている理由とは何か分野や学び方へのニーズの変化は学校教育法では、高等教育機関として、大学との制度的な整合性を図るための様々な措置が講じられています。また、高等教育の資格の承認に関するアジア太平洋地域規約、いわゆる東京規約の中に専門学校が含まれたことや、国際標準教育分類(ISCED)のレベル6に高度専門士が位置づけられたこと等、専門学校が国内外において、高等教育として適切に扱われるようになってきたといえます。こうした観点から、今後も専門学校は職業教育の要であり、存在価値はこれまで以上に高まっていくと考えます。小林 整理いただきありがとうございます。では関口さんにお聞きします。「令和6年度 学校基本調査」では、大学進学者は増加、短大は減少、そして専門学校の進学率は前年度より2.1ポイント上昇し、過去最高の24.0%となりました。専門学校が学生から選ばれている結果だと思いますが、入学する学生の層はどのように変化していますか?関口 新型コロナウイルス感染拡大によって減った留学生が、復活傾向にあります。専門学校の入学者が4000人増えたのは、海外留学生の影響だと考えられます。50 数万人という在学者数は、大学に次ぐ規模です。職業教育を行う学校種として、この規模を維持できていることこそが、専門学校の存在が社会から評価されている証左ではないでしょうか。小林 国内外問わず専門学校が一定程度評価をされている理由を、関口さんはどう見られていますか?関口 20〜30年前、「大学が全入時代を迎えるに伴い、大学と短大は増えて、専門学校は減少する」と予想されていました。対して私の見解は、「大学は増え、専門学校は維持。減るのは短期大学」というもので、現状その通りになってい52ます。そう考えていた理由は、学校種としてのアイデンティティーにあります。学問を学び、研究成果を出すというアイデンティティーを持つ大学に対して、専門学校も実利的な職業教育を提供し、就職につなぐという学校種としてのアイデンティティーを確立してきました。学校種としてのアイデンティティーが明確であれば、長期的に衰退することはないと、当時から考えていたのです。その後、個々の専門学校、全国専修学校各種学校総連合会等団体が努力をし、実績を積み上げてきた結果、50 数万人という規模が維持できていると考えます。小林 関口さんの理論は、冒頭の「大学進学率が高まり、専門学校は衰退すると考えられていたが、実際は職業教育の根強いニーズが社会にあった」という堀さんの話に通じますね。堀さんは、なぜ大学一辺倒にならなかったと見ていますか?堀 関口さんが、専門学校は「アイデンティティーが明確だ」とお話しされたように、高校生が全員「大学に行きたい」わけではないんですよね。高校生の学びのニーズは多様であり、かつそれに素早く対応できたから、専門学校は生き残ってこられたと考えます。まだ世に出ていない新しいニーズを先取りし、カリキュラム化できるのが専門学校の魅力。さらに、それがフレキシブルであるという点が、大学に勝る専門学校の強さだと考えます。時代の流れとともに変化する、消費者のニーズや社会のニーズに即応して、教育をアップデートしていく専門学校の実践性が、社会から評価されているのではないでしょうか。小林 急速に変化する社会のニーズに即し、学校や学科、コースが柔軟に設計できる制度的なメリットが専門学校にはあるというお話でした。
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