入試は社会へのメッセージ全学一斉実施という拘りを支える意思決定体制多様な評価者による化学反応リクルート カレッジマネジメント244 │Apr. - Jun. 2025北海道科学大学 講義棟(A棟)保するために総合型選抜でも大学の特徴を作る必要があります。また、本学のメインターゲットである北海道内の高校の先生方にきちんと理解していただくには、新しくインパクトのあることを全学でやっていかないといけません」と話す。そのため、いつまでに何を実行するのかという時間軸を決めて、実施に至る規程改正や稟議のタイミングを逆算していったという。また、入試広報センターには各学科から1名ずつ担当教員が構成員として入り、学科への情報共有のハブを担う。そのため、センターが各学科に説明行脚しなくても、課題感や問題意識を含めた企画の共有がなされる体制になっている。新ガリレオ入試で培われたノウハウや蓄積も活かし、プレ実施による検討の厚みもあり、最終的には学内で承認され本実施に至った。社会人評価者にはどのようなサポートがあるのか。まず、カタライズの趣旨や内容、評価のポイントについて入試広報センターでまとめた解説動画をオンデマンド視聴してもらったうえで、受験者評価に関連する様々な情報を提供した。また、当日は同じく評価に入る教職員と60分程度顔合わせや事前にすり合わせる時間を作った。本評価ではなく参考評価という位置づけだったプレ参加者のうち、7割程度が本実施の評価にも参加したという。「本学としては選考内で同じ学生を2回見ていただきたいので、第2回・第3回のプログラム両方に参加できる方をどの程度確保できるのかが課題でしたが、来てくださった方々からは『もっとこういう機会を増やしてほしい、もっと貢献したい』という声を多くいただきました」と宮武氏は述べる。菊池氏は、「社会人の方々からは、自分が高校生の時はここまで考えてはいなかった、将来の自分を見据えて自分なりに考えを入試の場で話せるのはすごいことだ、という声もいただきました」と、社会人を含めた入試の場における「育てる」化学反応に手応えを感じているようだ。その一方で、「北海道内の高校の先生方の反響や声も確認していく必要もあるため、実施時期等を含めた入試内容を丁寧に再検討しながら、より持続可能で精度の高い入試「本学がディプロマ・ポリシーで掲げる人材像に受験生が辿り着くために入試でできる、本学らしいアプローチは何かをずっと考えていました」と加藤氏は話す。重要なのはDPと高校生自身のキャリア観がクロスするポイントを想起させることだったのだろう。だから、実際の卒業生との会話でその解像度を上げ、目指す方向性を考える手がかりを提供した。当然、それが冒頭に挙げたミスマッチを防ぐ手立てと見込んでのことだ。また、新ガリレオ入試の「育てる入試」を継承するうえで、3回という回数が重要だったという。加藤氏は次のように説明する。「特に第2回のプレゼンテーション中間発表では、評価者からのフィードバックがあります。より深めてほしい点や不足している観点を伝えますが、社会人と1回ディスカッションするだけでは、自分の考えに落とし込むのは難しい。咀嚼して再構成する時間と機会が必要で、その確認のため第3回の最終プレゼンテーションを設けています」。こうした大胆な入試設計を一部の学部でのスモールスタートとせず、全学一斉で実施していることに、北科大の強さがあるように思われる。菊池氏は、「特に私学は学部を問わず年内入試にシフトしています。定員を確実に確62
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