高校は、生徒が目指す分野の先輩から直接フィードバックをもらえる価値を評価将来を考える機会を、様々な若者に※1 https://souken.shingakunet.com/higher/.assets/2019_RCM214_30.pdf※2 所属・肩書等は2024年12月取材時点のものリクルート カレッジマネジメント244 │Apr. - Jun. 2025「7割以上の受験生が『挑戦し甲斐がある、成長できる入試最後に、現段階で見えている課題等について伺った。「各プロセスの詳細見直しと合わせて、社会人評価者の人数については検討の余地があります。もう少し増やせないか議論しているところです」(加藤氏)。また、宮武氏は「運営側から見ると、初めての試みでしたが卒業生も学内の教職員も充実した表情が見られました。久しぶりに母校に帰ってきた卒業生が、改めて母校愛を育むような場にもできれば」と話す。菊池氏は、「総合型選抜という性質上、どうしても基礎学力の問題はあると思います」と述べる。「年内に合格が決まると、基礎学力が高かった生徒も学習習慣が途切れてしまうことは往々にしてあり、そうすると入学後大学教育についていけない可能性を孕む。このあたりを解消しなければ、いずれミスマッチにつながる可能性があります」。そのため、「本学ではオンライン教材を用いた学習で入学前に基礎学力を高めてもらうほか、LINEを活用した個別質問受付等の支援も行っています」(中山氏)。一部の学科では在学生動画等で学科の学びや雰囲気を知らせる取り組みもしているという。こうした「学習習慣を途切れさせない」ための工夫も、見直し・検討していく必要があるとの認識だ。「カタライズには『促進する』『(化学反応の)触媒』『(受験生が社会人と)語る』といった様々な意味があります。この入試の目的は、受験生に大学卒業後の将来を考えてもらうことです」と加藤氏は改めて語る。入試という場でそれを実現するための方策としてこの形に一旦落ち着いているが、目的に照らすと、将来を考えるのはもっと早い段階からでもよいのかもしれないという。「例えば中学生や高校の早い段階等で、自分の将来を考え、職業を知る場があっても良いかもしれません。今の形を精査しながら、様々な学校段階間の接続も見据えていきたい」。加藤氏の言葉は力強い。(文/鹿島 梓)63制度を模索しています」と話す。では、高校や社会からはどのような反響があるのか。「社会人が評価者に入るということについて、高校の先生は最初驚く方が多かったように思います」と話すのは、高校現場を訪問することの多い中山氏だ。「不安に思われる声もありましたが、入試の意図や本学が入試に込める思い、これまでの経緯をきちんとお伝えすると、入学だけが目標にならない在り方に好意的な反応が多かったです」。特に、高校生が目指している分野の最先端で活躍している先輩の話を聞ける機会が入試に組み込まれていることについては評価する声が多いという。また北科大は、受験生が多い高校には詳細な結果も報告している。「評価の点数ではなく、実際に生徒のプレゼンがどのような内容で、こういう点が評価された、といったフィードバックをお伝えし、次年度以降の参考に供しています。先生方の反応も、合格した生徒や残念ながら不合格となってしまった生徒の理由を知って納得されたり、なるほどこういう点が評価されるなら次年度もそういう生徒を受験させたい、と言われたりといった具体的なものが多く、生徒を起点にした踏み込んだ会話をできるような信頼関係を今後も増やしていきたいと思います」と宮武氏は述べる。一方で、プレゼンテーションが2回ある等、高校からすると準備が大変な印象も一部持たれているという。それに対しては、「カタライズ自体が教育プログラムとしても設計しており、大学側で事前課題と3回のプログラムを通して生徒を育てるので、そのまま送り出してほしいとお伝えしている」(宮武氏)という。また、実際に受験した受験生へのアンケートによると、である』と回答しており、その他にも『自分の成長や意欲を示せる』といった回答も多く、向上心の高い生徒が多く挑戦してくれているのではないかと思います」と中山氏は述べる。
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