65連携先の開拓が教学の充実に直結。基盤となるのは教職員のビジョンへの共鳴リクルート カレッジマネジメント244│ Apr. - Jun. 2025実施主体学校法人先端教育機構設置校事業構想大学院大学、社会構想大学院大学附置機関事業構想研究所、先端教育研究所2012年4月(事業構想大学院大学)2017年4月(社会構想大学院大学(当初名称:社会情報大学院大学))大学開設年地域課題解決と人材育成、地域における事業構想の構築を目的とした「地域活性化プロジェクト研究」「事業構想プロジェクト研究」の実施、地域活性化などのプロジェクトマネジメント人材の育成を目的とした「地域プロジェクトマネージャー養成課程」の運営取り組みの概要写真1 北海道島牧村との連携協定締結式写真右:夏井一充村長、同左:事業構想大学院大学・田中理沙学長写真2 フィールド自治体・福井県高浜町での地域プロジェクトマネージャー養成課程・最終発表会を終えた受講生道府県全てに大学院の校舎をつくろう』という将来ビジョンを掲げています。これまで東京、大阪、名古屋、福岡、仙台の5カ所へと校舎を設けてきましたが、今はその次の段階として、様々な地域との連携を強力に進めていこうとしているのです」(川山氏)。とはいえ、地域ごとに事情は異なる。左表を見ても、協定には自治体だけではなく各地域に根差す企業が加わっており、連携協定の内容、具体的な取り組みも様々だ。意志決定の経路も複雑になりそうだが、どうやって次々と連携を具体化させているのだろうか。「受け身の姿勢じゃないんですよ。申し入れがあったらまずヒアリングをして、地域の課題についてわれわれと担い手で共通認識を得ていく。それをベースにディスカッションを重ね、実現可能性のある企画を探索。われわれはファシリテーションを担い、いつまでに何をやる、というアクションプランまで落とし込んでいく…というのがおおよその流れ。確かに、同じ連携先でも神戸市と島牧村では連携先の規模も連携内容も異なっていますが、プロジェクトを進めていくスキーム、考え方の道筋は共通します。連携を担うスタッフには、それがしっかり浸透しているんです」(川山氏)。社会構想大学院大学が行っている総務省の連携事業『地域プロジェクトマネージャー養成課程』では、プログラムの総仕上げとして実際に地域に赴いて課題を発見し首長に政策提言を行うフィールド研究を行っている(写真2)。事業構想大学院大学では、「地域活性化プロジェクト研究」社会人大学院生たちがやはり実際に地域に入っていくプログラムを有する。連携先の地域は、それらのプログラムのフィールド先となる。「つまり、連携先の地域が増えるということは、教学リソースの充実に直結するということなんです。そもそも地域との連携はそれ自体が目的なのではなく、あくまで地域活性化を担う人材を育成するための手段。そうやって育成してきた人材が自らの地域に戻り、こんどは自分達の地域をフィールドに、と問い合わせをしてきてくださる。全国5拠点に校舎を置いて本格的な取り組みをはじめてからおよそ5年、そうした好循環が生まれてきています」(川山氏)。地域連携に専従するスタッフを配しているわけではない。「担当部署としては、プロジェクト研究の運営を担う事業構想研究所、地域プロジェクトマネージャー養成課程を運営する先端教育研究所という附置機関を置いていますが、縦割りになってしまっては駄目なんです。教学の立場からは、一つの連携協定を一つの授業だけで終わらせるのではなく、対象の地域との関わりからできる限り様々な教育リソースを引き出していきたい。そうやって複数のプログラムが充実していけば、各地域の課題解決にもつながります。そこで、われわれ教学を担う本部が複数の連携協定全体を見て、実務は各部門が一体化して横断でやる。同時並行で多くの連携協定が進められるのは、こうした体制のおかげでしょう」(川山氏)。教職員のモチベーションは非常に高い。「地域との連携を担う教職員は、冒頭に触れた『47都道府県構想』に魅力を感じて入職してきた方が多いんですよ。将来は自分の生まれ育った地域でもプロジェクト研究を実施したい、と思っていたり。だから当事者意識が強いんです」(川山氏)。(取材・文/乾 喜一郎 リクルート進学総研主任研究員[社会人領域])「事業構想プロジェクト研究」というフィールドワークで、
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