カレッジマネジメント244号
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tnemeganaMytiiI srevgnitavonnnU105経営能力の真価が試される需要縮小の時代大学を強くする「大学経営改革」 リクルート カレッジマネジメント244 │Apr. - Jun. 2025学校法人東京家政学院理事長・筑波大学名誉教授18歳人口が120万人規模で推移した10年が終わり、再び減少に転じたのが2018年。2027年には110万人、2035年には100万人を割り込み、2038年には80万人台、2040年には70万人台にまで縮小するとの推計が文部科学省より示されている。足元では大学進学率の上昇もあり、大学入学者数は女子を中心になお増加が見られるものの、近い将来減少に転じ、それが加速することは避けられない。日本私立学校振興・共済事業団が公表する入学志願動向によると、入学定員充足率100%未満の私立大学の割合は、2024年度において354校、59.2%に達している。充足率の低下は小規模校ほど、そして大都市圏よりもその他地域で顕著であるが、規模や地域の違いを超えて、学生募集環境の急速な悪化に危機感を抱く大学関係者が明らかに増えている。選抜性の高いいわゆる有力校でも、系列校の増加、総合型選抜や学校推薦型選抜等年内入試での学生確保に力を入れる傾向がさらに強まっている。本誌2024年1-3月号に掲載された「理事長調査報告」(調査実施は2023年7月~8月)では、「経営の持続可能性に対して強い危機感を持っている」との回答が27.3%。「既に経営状況が悪化」、「5年程度先まで見通した場合、経営状況の悪化を危惧」まで合わせると6割近くが、経営の現状に対して厳しい認識を有していることが明らかになっ68た。また、「今後淘汰・再編が急速に進むことは避けられない」との回答も4割に達している。2025年2月21日に示された中央教育審議会答申『我が国の「知の総和」向上の未来像~高等教育システムの再構築~』(以下「答申」と呼ぶ)においても、2024年現在約63万人の大学進学者数が、2040年には約46万人に減少するとの見通しのもと、「高等教育機関の機能強化の観点からも、設置者の枠を超えた、高等教育機関間の連携、再編・統合、縮小、撤退の議論を避けることはできない状況であり、高等教育全体の適正な規模の見直しが必要である」との認識が示されている。その上で、具体的な方策として、厳格な設置認可審査への転換、再編・統合の推進、縮小への支援、撤退への支援、の4つを挙げている。高等学校在学生の数は1989年の564万人をピークに2024年は291万人とほぼ半減し、高校数も最多であった1988年の5512校から2024年4774校と減少が続いている。大学在学生数のみ増え続け、2024年には295万人に達しているが、短期大学を合わせた在学生数は2005年の308万人をピークに、直近数年は302~303万人水準で推移しており、既に頭打ち状態にある。大学もいよいよ本格的な需要縮小の時代に突入する。右肩上がりの恵まれた環境にありながら、絶えず国や社会から改革を迫られ、その本気度やスピードが問われ続けてきた大学。需要縮小時代における変革の難しさはその比ではない。経営能力の真価が試されるときがきた。需要縮小時代の大学経営を考える吉武博通

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