カレッジマネジメント244号
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tnemeganaMytiiIリクルート カレッジマネジメント244 │Apr. - Jun. 2025 srevgnitavonnnU経営支援を通して強く感じるのは危機感の希薄さ大学を強くする「大学経営改革」需要縮小時代の大学経営戦略の視点規 模経営の切迫度・募集停止シミュレーション(在学生の学修環境確保の見極め)・コスト削減による早期収支均衡・学部譲渡、法人合併、解散・学生募集強化とコスト削減の徹底・これらによる早期収支均衡の実現・需要縮小下での持続可能性の見極め → 学部譲渡、法人合併等・際立った特色を武器にした差別化戦略やニッチ戦略・他大学、企業、地域等との協働・一体感、柔軟性、スピード・募集停止、統合再編、重点強化による魅力ある学部編成・コスト削減による早期収支均衡・学部譲渡、法人合併等・特色を持つ学部の重点強化と社会ニーズに対応した学部再編・これらを通したブランド力の向上・持続可能な経営基盤の早期確立・特色を活かしたブランド力の向上・学部間連携による地域・社会ニーズへの即応・中規模校ならではの強みの発揮・募集停止、統合再編、重点強化による魅力ある学部編成・学部を超えた総合力の発揮・コスト削減と規模を活かした経営効率の追求・特色を活かしたブランド力の向上・学部を超えた総合力の発揮・規模を活かした経営効率の追求・持続可能な経営基盤の早期確立・高度な研究と質の高い教育・入学者の質の確保と多様な学生・真にグローバルな大学への転換・学部を超えた総合力の発揮より状況は異なるが、規模や財政力に頼るだけでは持続可能性を高めることができない。高度な研究と質の高い教育を追求することで、入学者の質の確保と留学生・社会人を含む多様な学生の受け入れを図り、社会的信頼を向上させていく必要がある。真にグローバルな大学への転換も大きな課題であり、そのためにも学部を超えた総合力の発揮が不可欠である。中規模校については前述の通り厳密に定義していないが、ここでは収容定員2000名程度から8000名程度の規模を想定して重視すべき視点をまとめている。経営の切迫度が高い大学が重視すべき視点は小規模校と大きくは異ならないが、ポジショニング(立ち位置)や特色を明確にし、これらをブランド力につなげることがこの規模の大学の最大の課題であると思われる。また、中規模であることは、小規模校に比べて豊富な経営リソースを有し、大規模校ほどに学内運営に多大な時間と労力を要さないという利点もある。それだけに経営の巧拙が将来を大きく左右する可能性が高い。ここまで筆者の見解を中心に述べてきたが、現場の実情を理解するために、学校経営支援業務を通して数多くの経営改革や経営再建の現場に立ち会ってきた、株式会社エデュース(学校法人の共同出資により設立され、現在の出資校は16法人)の木村克紀取締役のインタビューを行っ70た。以下はその要旨である。木村氏の発言部分は丁寧体で表記している。以前は経営に行き詰まる学校もごく一部にとどまり、学生募集や業務改善コンサルティングに関する依頼が中心でしたが、5年くらい前から経営再建や学校・学部等の閉鎖に関する案件が増加し、ここ数年で経営難に陥る学校法人も急に増えてきたと感じます。定員管理の厳格化の中、コロナ禍で地元志向が強まったことにより都内の大学も厳しさを増しましたが、コロナ禍が落ち着くのと同時期に定員管理を入学定員から収容定員にしたことで、特に大規模校の入学者数が変動し、中小規模校(特に地方)が著しい影響を受けるという状況が生じています。定員充足率が8割から9割程度ならば募集強化やコスト削減で建て直すこともできますが、7割を切るレベルになると自力での再建は難しくなります。遊休の土地・建物があれば、それらを処分すれば資金を生み出せると考えがちですが、地方はもちろん、大都市圏でも郊外では売却が難しいケースも多く、建物が建っている場合には更地化のための費用が売却額を上回ることも起き得ます。自学の経営状況に危機意識を少しでも感じたならば、できる限り早い段階で募集停止シミュレーションをしておくことも重要です。募集停止を決めたとしても、入学した学生・生徒を卒業させるための財政的な余力を残しておく必要があります。このシミュレーションを行った結果、意外と余力がないことに気づかされるケースも少なくあり高い中程度低い小規模校中規模校大規模校

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