次世代研究と創発性人材育成に着実な成果学生が自由に挑戦できる場とプログラムを用意たSCCのスローガンが「TRY FIELD」である。「TRY FIELD」で大切にするコンセプトは3つで、①挑戦する場としてのハード(建物)を用意、②ハードの充実だけでなくソフト(プログラム)も充実させる、③失敗を恐れず、挑戦自体に意味があると思える仕組みでソフトを展開するというものだ。「最も大きかったのは、全国の大学で初めて『Microsoft Base Ritsumeikan』を設置したこと」だと三宅氏は語る。ここでは生成AI「Microsoft Copilot」を使って、現在100名の学生が参加し、議論や教授法等を学修させてAIを育てている。AIに蓄積したビッグデータが、今後の教育にどう活用できるかというテーマへの試験的な取り組みだ。次のフェーズとして、Microsoft社以外の企業からも課題を提供してもらうため、4Fに企業と学生が共創する「会員コミュニティ」を設置。会員25社の生の課題に学生が取り組むプロジェクトを実施している。企業の本気に学生も本気で応えるために、1Fの「SEEDs」において、作法やプロジェクトの進め方を学生にレクチャーし、覚悟のある学生だけをジョインさせている。現在260名の学生がジョインし、毎週その数は増え続けている。仲谷学長は「次世代研究に学生を巻き込む取り組みも、OICの1年半で漸く形が見えてきた」と成果を振り返る。市民や企業に研究の様子を公開するオープンな実験室「SP LAB」でも、学生の発信力向上に効果が出ている。「自分の➎1Fに9室設置されたガラス張りのオープンな実験室「SP LAB」。一般の人が自由に聴講し、実験に参加もできる。➏228人の学生が38のグループに分かれ、企業の課題を議論する「Learning Infinity Hall」。逆位相技術により、全グループが一堂に会してzoomを繋いでもハウリングを起こさない教室には、企業人も驚くという。リクルート カレッジマネジメント246 │Oct. - Dec. 2025いので、企業や地域の方々とネットワークを構築し、立命館がそのなかの重要なコアノードとしての役割を果たすべき」だと考えた。その実験場がOICなのだ。SCCの運営を担うのは、全学横断の新組織「社会共創推進本部」である。副学長兼社会共創推進本部長の三宅雅人氏は、「企業や社会と一緒に社会課題の解決に取り組もうとした時に、従来の大学組織では教育・研究の2大目的を運用するためのルールに縛られてしまう。そこで全くのゼロから新しい組織を作ろうと考えた」と経緯を語る。SCC構想の1年前から新組織を作るための専門組織を作り、ミッション、ルール、内容を吟味し、規定を作って本部に移行した。本部のメンバーは、本部長と副本部長以下、教員36名と事務職員で構成されている。教職員共に他部署との兼務職とし、教員の研究分野も文系理系なくバラバラに集めたのが特徴だ。社会共創は様々な自治体や企業と繋がる形になるので、組織も研究分野も柔軟に横断できる形にした。「組織的にも大きな挑戦」(三宅氏)だとし、「最初はOICからSCCを始めようとしたが、作っていくなかで、大学全体で取り組む必要があると考え、『社会共創推進本部』を3キャンパスにまたがる組織にした」とSCCの可能性に期待を寄せる。R2030「挑戦をもっと自由に」で学生に挑戦を促すなら、挑戦できる場も整備しよう。こうした考えから生まれ12●➏●➎
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