カレッジマネジメント246号
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地域に根差し、地域に閉じない。2つのキャンパスで描く未来(文/金剛寺 千鶴子)15中国1四国308934九州沖縄15その他142合計3869北海道東北37都道府県関東甲信越東海北陸関西「両キャンパスに共通するのは『地域のニーズに応える』という姿勢です。それぞれの地域に不足している学問分野を補う形で学部学科を設置してきました。徳島には6学部18学科を、高松は5学部10学科を有しておりますが(保健福祉学部と総合政策学部は両キャンパスに学科設置あり)、今後はキャンパス間の『融合』をさらに進めたい。徳島の音楽学部が高松で演奏会を開く等、教職員や学生が垣根を越えて交流し、学園全体でシナジーを生み出していきたいと考えています」最後に、今後の抱負を尋ねると、理事長の視線は四国の外、全国へと向けられた。「我々は『地域に閉じない大学』でありたい。地方大学の多くが地元出身者で占められる中、本学には今、37都道府県から学生が集まっています。この多様性こそが財産です。様々な文化背景を持つ若者が徳島と香川に集い、学び合う。それが地域にとっても大きな刺激となるはずです。キャンパス移転を機に得た発信力を活かし、全国から『ここで学びたい』と選んでもらえる大学を目指します。同時に、たとえ厳しい状況でも、地域に必要な学問の灯を消すことなく、学びの選択肢を守り続けていく。それが我々の使命だと考えています」地方からの人口流出が叫ばれて久しい。徳島文理大学の挑戦は、大学が地域の「防波堤」となるだけでなく、多様な人々を惹きつける「磁力」となり得ることを示している。駅前に生まれた新たな知の拠点が、地域社会、そして日本の高等教育にどのような未来を拓くのか、期待は大きい。特集1 未来の大学経営を拓く 戦略的キャンパス移転・再配置在学生の出身エリア別人数学生達の「目」の変化だ。「学生は通学で必ず社会を経由してキャンパスに来ます。駅ビルや周辺の店舗等、社会の動きを日常的に目にすることで、視野が広がっているのを感じます。少しお洒落になり、表情がキラキラしている。自分達の学びが社会でどう活かされるのかを肌で感じられる環境が、学習意欲という内面的な変化にもつながっているのだと思います」社会との接点が増えたのは学生だけではない。企業からの共同研究の打診が増加する等、教員にとっての機会創出にもつながり、大学の研究シーズが社会の目に触れる機会が増えた。さらに興味深いのは、旧志度キャンパスの活用だ。旧キャンパスを売却せず、大手食品メーカーとの大豆の水耕栽培実証実験の報道を皮切りに、現在、志度キャンパスの産学連携拠点としての問い合わせが増加している。キャンパス移転は、新たな価値を呼び覚ます触媒の役割も果たしているのだ。徳島と高松、約70km離れた二つのキャンパス。その役割をどう定義し、連携させていくのか。15●➋●➌18230190リクルート カレッジマネジメント246 │Oct. - Dec. 2025●➊➊JR高松駅のすぐ目の前にある新キャンパス。徳島県、愛媛県や岡山県からの通学も可能。➋音響設備を備え、大人数の講義や式典等最大800人を収容できる、ムラサキキネンホール。➌様々な競技等に活用される広々としたアリーナ。

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