カレッジマネジメント246号
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入試設計で重視する学力評価と主体性のバランスリクルート カレッジマネジメント246 │Oct. - Dec. 2025受けられたという。そこは学校推薦型という区分の特性上、高校が推薦状を出さなければ受験生は出願できないのだ。メディアでも注目を集めたが、「本区分実施発表後はオープンキャンパス参加者が増え、実際にどのレベルまでどのくらい合格できるのかをよく聞かれました」と加藤氏は話す。大学側は新規導入の定量・定性的インパクトを正確に推し量ることが難しいが、受験生側も過去問や過去実績がない状態では入試難易度や合否基準の予測が難しい。結果、初年度は受験層の学力レベルの幅がかなり広く、合格ラインが高い傾向だったという。2年目となる26年度入試では初年度の合格状況を踏まえた検討となるため、学力は現実的に合格可能性が高い上位層に絞られ、かつそこが増えることが想定される。「結果として一般選抜型が増加し、第一志望率や歩留まりが変化することも考えられます」と加藤氏は述べる。初年度結果を受けて高校からは、高い志願倍率に「送り出した生徒がなかなか受からなかった」という声が多く聞かれたという。高校側の感覚としては、基礎学力テスト型にも対応できるが一般選抜では合格が不確実なレベルの生徒を送り出したが、実際は一般選抜と同等の難易度だったため、厳しい結果になったところが多かったものと窺える。また、次年度も形を変えるとはいえ継続することに対しては歓迎の声が圧倒的に多いという。「年内入試の主流32ではないかもしれませんが、大学のカレッジレディネスである基礎学力を確認する入試として機能していることを、好意的に見てくださる声が多いことに感謝したい」と加藤氏は述べる。東洋大学は近年、基礎学力テスト型に限らず大学教育へのレディネスという意味で基礎学力を重視し、一般選抜では文系学部への数学導入や教科科目数を増やす多教科型の入試改革を進めており、こうした大学教育を起点にした入試改革の流れは、高校から見ても筋の通った理解しやすいものであるようだ。既存入試区分では基礎学力に課題がある年内入試と、学力は担保されているが志望度や教育への主体性に課題があった年明け入試で特性が異なっていたが、今回の基礎学力テスト型がその間にレイヤーを作った形となった。東洋大学は「学修意欲の高い入学者の確保」「第一志望者の割合を50%以上へ向上」「アドミッション・ポリシーに合致する入学者の確保」といった募集上の目標を掲げている。こうした目標へのアプローチはどうなっているのか。基礎学力を重視し、年明け・年内入試をともに改革してきた東洋大学からすると、こうした基礎学力テスト型を強化する一方、年明け入試の数は減らしたくないのは道理である。一方で、昨年は指定校推薦が増加したが、指定校は図3 2026年度 基礎学力テスト型入試の概要入試は社会へのメッセージ

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