23リクルート カレッジマネジメント247 │Jan. - Mar. 2026本ガイドの活用方法その他、教育効果の評価方法等も紹介17大学等におけるアントレプレナーシップ教育の現状と課題近年、大学や高等専門学校等におけるアントレ教育の導入が広がっている。令和4年度科学技術人材養成等委託事業業務」の調査では、アントレ教育を実施する大学等の割合は、令和4年度の33%から令和6年度には 40 %へと拡大した。一方、大学生等におけるアントレ教育の受講率は、令和 4 年る。また、アントレ教育導入における最大の課題として、令和6年度には約72%の大学が「指導教員の不足」を挙げておこのように、アントレ教育の重要性が認識されつつも、教育機会の拡充や教員育成といった教育基盤の強化が今後のさらなる醸成の鍵を握っている。文部科学省におけるアントレプレナーシップ教育の施策についてこうした現状と課題を踏まえ、文部科学省では、多層的な施策を展開している。まず、令和2年度から内閣府により選定されたスタートアップ・エコシステム拠点都市を中心に、全国約 140 の大学が持つ教育プログラムのノウハウを活用して、小学生から大学院生までに対してアントレ教育を実施する「大学発新産業創出プログラム(START)」 を推進し、課題解決に向けて思考法の習得や、仮説検証等を行う図2 アントレプレナーシップ教育ガイドの構造教育現場で実践するための3個のコア・コンピテンシー10 個のコア・スキルを整理コア・コンピテンシー(日本版)①問いを立てる機会の発見②情報を探索する③アイデアを作る④今ある資源を認識する資源の動員⑤今ある資源を活用する⑥足りない資源を獲得する⑦不確実性、曖昧さ、リスクを見極める不確実性、曖昧さ、リスクへの対処⑧試してみる⑨意思決定をする⑩学びを得るコア・スキル「全国アントレプレナーシップ醸成促進に向けた調査分析等度 3.2%、令和6年度 5.2%と依然として限定的な状況であり、大学側の体制整備が急務となっている(図1)。教育機会を提供している。さらに、令和7年度からは博士課程学生を対象にしたプログラム内容を拡充し、各専門分野の知見を活かした事業化を想定した、実践的なアントレ教育プログラムを開発・実施することとし、ディープテックを活用した起業に必要な知識や能力を座学・ワークショップ・海外派遣などを通じて体系的に提供している。加えて、全国の希望する全ての大学生がアントレ教育を受講できる環境構築に向けて「全国アントレプレナーシップ醸成促進事業」を実施している。本事業では、学生・教職員向けのアントレ教育の受講機会創出に加え、国内外のアントレ教育の実施状況の調査、効果検証手法の整備及び情報発信のプラットフォームの構築等を行い、アントレ教育の裾野拡大と質の向上に向けた取組を実施している。さらに、持続的にアントレ教育が実施される環境整備を行うために、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための取組として、教職員向けのファカルティ・ディベロップメント・プログラム(以下「FD プログラム」という)として、授業設計方法を学ぶワークショップ等を行っている。特に、過年度の FD プログラム受講者が翌年度の学生向けプログラムの設計・運営に携わるなど、学びの循環を育み、実践の機会を創出する構造となっていることが特徴である。また、令和7年3月には、アントレ教育のガイドとして「日本版 Entre Comp v1」を公表した。「日本版 Entre Comp v1」では、幅広い年齢層を対象として数多くのコンピテンシー(資質・能力)を取り上げている「EU 版 Entre Comp」を基盤として、日本の教育現場に適した 3 個の「コア・コンピテ情報を探索する<教育実践例>インタビュー調査をする現場を観察する情報を構造化する教育ガイドのフィードバック・事例を大募集バージョンアップに向けて活用します日本版 Entre Comp v1https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/mext_00027.html特集 1 アントレプレナーシップ教育の現状と課題
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