C A S E02学生の個性を認め自己肯定感高める崇城大学では、アントレプレナーシップ教育(以下、アントレ教育)を起業に限定せず新しいことに挑戦するマインドと捉え、全学共通教育にアントレ教育プログラムを導入している。「本学のアントレ教育の根底にある理念は、前学長で現理事長である中山峰男の強い信念から生まれたもの」と話すのは、副学長の中山泰宗氏だ。2008 年の「高校生の生活と意識に関する調査報告書」において、日本は「自分はダメな人間だと思うことがある」といったネガティブな項目が国際調査と比較して高く、子ども達の自己肯定感の低さに当時から大きな課題意識を感じていた。崇城大学はキーワードに「学生の心に火をつける」を掲げている。「学生一人ひとりが自分のやりたいことを持っていることが最大の個性であり、子ども達にはその個性を認め、自分自身が素晴らしい人間だと認めながら人生を切り拓き、幸せになってほしいという思いがキーワードに繋がっている」と中山氏。アントレ教育はその結果出てきた一つの取り組みだという。2013 年の第一期中長期計画に「起業家精神の育成」を掲げ、翌 2014 年から全学横断の起業家育成プログラムが始まった。選択科目のアントレ 4 科目を設置し、活動拠点やベンチャーキャピタル等を整備。「崇城大学ビジネスプランコンテスト」(以下、ビジコン)もこの時に始まった。崇城大学アントレプレナーシップ教育プログラム2020 年に(株)資生堂出身の実務教員である川副智行氏が着任したことで、アントレ教育が次のステージへと進む。プログラムの目標を、起業家育成から教育プロセス重視に転換し、1~2 年生対象の全学共通教育「崇城大学アントレプレナーシップ教育プログラム」を開講した(図表1)。22DATA ●崇城大学学部:工、芸術、情報、生物生命 、薬(5 学部 3研究科)学生数:3583 人1 年次2 年次①未来デザイン②アントレプレナーシップ入門③ベンチャービジネス④イノベーション入門⑤ローカルイノベーション前期選択必修必修後期選択必修前期選択必修後期選択必修大学副学長中山泰宗 氏総合教育センター教授 川副智行 氏プログラムを学長直轄のプロジェクトに位置づけ、総合教育センターに所属する川副氏以下 2 名を専任教員に配置。教員 5 名のアドバイザリーボード委員から意見をもらいながら、全学的な方針をまとめ、戦略会議の承認を得る形で運営している。プログラムの内容は、企業の中で活躍できる人材をイメージし、段階的にゴールラインを達成する形で設計した。1 年次は「チャレンジと知識」としてマインドセットと知識の習得、2 年次は「創造性とプランニング」でアイデア出しの訓練を行う。「アントレ教育は起業目的で学生生活の後半に設計されることが多いが、本学では 1・2 年次のベーシックスキルに設計し、3・4 年次の専門科目で専門性を身につけ、シーズがあれば起業も支援する」(川副氏)。さらに 2023 年の第 3 期中長期計画において、アントレプレナーシップを VUCA の時代を生き抜くために必須の能力と位置づけ、薬学部以外の全学部で入門科目を必修化した(薬学部は選択必修)。「アントレプレナーシップ入門」は約 850 名、選択必修科目は約 200 名が受講している。正課と課外教育を接続する「エコシステム」同時に川副氏は、正課プログラムから接続するエコシステ図表 1 崇城大学アントレプレナーシップ教育プログラムの科目一覧リクルート カレッジマネジメント247 │Jan. - Mar. 2026 崇城大学「学生の心に火をつける」起業よりプロセスを重視する教育プログラム
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