年内入試の多様化が示す大学ブランディングへの道筋E 01 金城大学CASリクルート カレッジマネジメント247 │Jan. - Mar. 2026受験生の多様なニーズに応える入試のバリエーション総合型選抜の入学者は年々増加しており、本学のような地方私大の定員確保においては最重要区分です。背景には高校生の早期決定志向があります。高校での活動を多面的に評価してほしいと総合型を積極的に選ぶ層もいますが、それ以上に、「早く進路を決めたい」という高校生が増えています。一番大事なのは、それぞれの受験生が自分起点で最適な入試を選べるバリエーションを広く用意しておくということです。地域活動を強化する方向性に合致する属性を選抜する探究重視型本学の学部学科の多くは国家試験合格を目指しています。その一方で正課外の地域貢献や地域交流等の活動に各学科が注力してきました。専門知識・技能に加えて、こうした活動で培われる多世代とのコミュニケーション力や地域貢献力を大学の大きな付加価値と捉え、社会的価値として最大化していきたいという意向があります。こうした活動は実習が始まる前の1・2 年生が中心で、結果的に主に3年次から本格化する各種実習科目に向けた意識醸成等に大きく寄与します。2024 年に設置した総合経済学部では、学外での学びや企業・自治体との連携がさらに進んでいます。こうした流れを踏まえ、高校時代から探究学習やボランティア等、地域で活動していた層を獲得するため、探究重視型を設置しました。大学として目指す方向性に整合し、活発に活動できるレディネス(準備性)があると見込んでのことです。本学は単なる専門技術者ではなく、地域貢献の志向を持つ職業人として育成していく。入試ではその素養を評価したいと考えます。図表 探究重視型・基礎学力重視型の概観40C a s e S t u d i e s 事 例DATA ●金城大学学生数 1284 名(学部 1263 名・専攻科 11 名・大学院 10 名。2025 年 5 月 1 日現在)4 学部(人間社会科、医療健康、看護、総合経済)石川県白山市選考方法基礎学力や修学態度(主体性や協調性、出欠状況等)、社会に関する関心、活動実績(探究活動、競技成績や取得資格)等高校での探究活動等に対する取り組み、コミュニケーション能力、志望分野への適性、学修意欲等調査書・活動報告書・課題レポート:基礎学力や修学態度(主体性や協調性、出欠状況等)、社会に関する関心、活動実績(競技成績や取得資格)、志望分野に対する興味・関心、学修に対する意欲、計画性 学校長推薦書:学力の 3 要素と人物像英語:「英語コミュニケーションⅠ」 国語:「現代の国語」 数学:「数学Ⅰ」基礎学力、理解力、論理的思考力評価対象合計配点1002001005025050150区分書類審査(調査書、活動報告書、探究活動等実績書)個人面接(20 分程度・5 分程度のプレゼンテーションを含む)書類審査(調査書、活動報告書、学校長推薦書)総合型選抜「探究重視型」学校推薦型選抜「基礎学力重視型」課題レポート基礎学力検査(90 分)入試広報部 課長根津崇志 氏2026 年度入試で総合型選抜 探究重視型(全学部全学科)・検定資格重視型(総合経済学部総合経済学科)、学校推薦型選抜基礎学力重視型(全学部全学科)を導入実際に入試を実施したところ、地域での探究活動に積極的に取り組み、書類やプレゼン資料の内容も期待以上で、入学後は本学の学外活動を牽引してくれそうな受験生が多く見られました。一人ひとりを丁寧に評価する選抜の特性上、スケールメリットは見込みづらいですが、大学教育へのレディネスを多面的に評価する重要な入試区分となりそうです。専門教育にスムーズに入ることができる基礎学力を評価する基礎学力重視型基礎学力重視型は、専門教育へスムーズに移行できる一定の基礎学力を備えた受験生の獲得を目的としています。提出書類の一つである課題レポートでは、①高校在学時の諸活動の経験から学んだこと、②金城大学の理念を踏まえ大学で何を学びたいのかという2点を別々に問います。前者は「経験した」という事実のみならずそこから解釈する力を、後者は自身のキャリアの方向性とアドミッション・ポリシーをどのように接続するかを評価します。いずれも内省し、思考し、言語化する力を求めるものです。形式的な書面ではなく、実質的な評価材料となるよう、評価の接続観点を丁寧に設計へ反映しています。教育と入試をシームレスにつなぐ今回の入試改革は、学部学科ごとに入学後の学びにつながりやすい属性を狙い撃ちする形で設計しました。高校からは「教育と入試がつながっていると分かれば指導しやすい」と好意的な意見が多いです。将来的には大学として目指す付加価値の高い教育とセットで入試制度の周知を図っていきたいです。
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