MBA単科の授業の品質は本科と同様オンライン化で広がった受講者層「土日は、経営者の視点に浸り込む」。授業への集中を追求してたどり着いた「週末MBA」 名古屋商科大学学長栗本博行 氏名商大ビジネススクール研究科長岩澤 誠一郎 氏「当初は並行して夜間も開講していたのですが、マーケットが答えを出してくれました。ある時、週末と夜間の受講生の比率が10:0になった科目が現れたのです。これは間違ってなかったと確信しました。本学は、本科も単科も、ケースメソッドが柱です。ここは妥協しません。背後にあるのは、授業に真剣に向き合い、討議に集中する文化です。教える側も、授業前の綿密な準備と、優れたファシリテーションが必要になる。週末完結型はその効果を最大限発揮するあり方なのです」(栗本氏)。本科の場合は2週末4日間の対面科目が中心で、週末2日間のオンラインを中心としたMBA単科とはその点が異なる。一方で、授業の進め方、品質については同じく国際認証の評価対象であり、全く同質だと栗本氏はいう。単科の受講者の平均年齢は 40 代と本科より少し高い。法人参加は15%程度で、ほとんどは自費。女性管理職経験者や育休中の女性を対象とした科目を開設していることもあり、女性比率は 40 %に達する。受講生は、これからMBAを学ぼうとする層と、修了生や既に博士号を持つ者など最新の学びを重ねていこうとする層に大きく分かれる。前者に対しては「Pre MBA」という履修証明プログラムを用意しており、非大卒層もこの課程を修了することで大学院の受験資格を得ることができる。社会人マーケットの開拓を目指す取り組みに「定石」はない。社会人マーケットの開拓を目指す取り組みに「定石」はない。そこでこの連載では、「兆し」となりうる多様な取り組みをレポートしていく。そこでこの連載では、「兆し」となりうる多様な取り組みをレポートしていく。DX 戦略、ビジネス倫理、リーダーシップ…名商大ビジネススクールでは、約 50 種類にも上る科目を一科目から受講できる。締め切りはそれぞれの科目の開講日の約1カ月前に設定されており、受講希望者はオンラインでの申し込みをすませた後、送付された「ケース」を読み込んでから授業に臨む。驚くのは、各科目が週末土日の2日間で完結すること。ビジネスパーソンのニーズにピンポイントで応えることができるため、近年は毎年のべ1200~1300 人が受講しているという。その狙いと将来像について、学長の栗本博行氏、研究科長の岩澤 誠一郎氏に聞いた。名商大ビジネススクールの開設は1990 年。米・英・欧の3つの国際認証を持つ日本唯一(世界では約140 校)のMBAだ。その特色は全ての授業において最新の事例を教材とした「ケースメソッド」を導入していること。経営者の視点を追体験し、その意思決定を自分ごととしてもらうことを目指す。「各科目を週末で完結させるのは本科(学位課程)も同様です。大学院開設当初は平日夜間に開講していたのですが、残念な出来事がありました。授業中にもかかわらず仕事のメールをしていたり、トラブル対応の電話を掛けに廊下に出たりする受講生を多数見かけたのです。全く討議に集中できていない、何かが間違ってる、どうにかできないだろうか。そんな時、シカゴ大学などが提供している週末開講の事例を知り、導入に向けて調査を開始しました」(栗本氏)。「土日の2日間は経営者の視点、いわば別世界にどっぷりと浸り込む。毎週15回来るよりもずっと集中できます。クラスのコミュニティもでき上がりやすいのですよ」(岩澤氏)。46 リクルート カレッジマネジメント 247 │ Jan. - Mar. 2026週末土日の2日間で1科目を完結。国際品質を担保し、非学位プログラムをもう一つの将来の柱に名古屋商科大学名商大ビジネススクール MBA 単科(Executive Education)シリーズ リカレント教育最前線 ⑬
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