カレッジマネジメント247号
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8リクルート カレッジマネジメント247 │Jan. - Mar. 20262020年の日本の開業率は5.1%。フランス12.1%(2019年)、英国 11.9 %(2020 年)、米国 9.2 %(2019 年)、ドイツ 9.1 %(2019 年)と、全て日本を大きく上回っている。こうした現状を踏まえ、入山氏は、日本もさらなるアントレプレナーの創出が必要とされていると語る。「諸外国と同様、日本でも経済成長のためにイノベーションが求められています。その担い手は主にスタートアップです。もちろん大企業・中堅企業がイノベーションに取り組むことも重要ではありますが、これらの企業はしがらみが多く、どうしても動きが鈍くなる。全くのゼロベースから、新しい組織、新しい人達こそが成長を牽引するのです。世界を見渡せば、その経済成長を担っているのはスタートアップですから。起業家達が経済成長を牽引してきたのは昔からなのですが、変化が激しくなり、不確実性が高まるなかで、今はより重要度が増してきています。日本でもスタートアップはそれなりに盛り上がってきてはいますが、まだまだ欧米や中国と比較すると数は少な い。 日 本 経 済 は 成 長 性 が 低 い と 言 わ れ る な か、こ のVUCA 時代に経済成長を実現するためには、アントレプレナーの数を増やすことは喫緊の課題なのです」早稲田大学大学院経営管理研究科 教授三 菱 総 合 研 究 所 を 経 て、 ピ ッ ツ バ ー グ 大 学 経 営 大 学 院 に てPh.D. を取得。同年、ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。2013 年、早稲田大学大学院経営管理研究科准教授、2019 年教授。専門は経営戦略、グローバル経営。著書に『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)など。世界は大きな変革の時代に入っている。VUCA(「変動性Volatility」「不確実性 Uncertainty」「複雑性 Complexity」「曖昧性 Ambiguity」)が世界規模のキーワードとなっているように、政治においてもビジネスにおいても教育においても、正解が見えないなかでどのように思考し、意思決定し、行動するかが、全ての組織・人材に強く問われている。そこで重要視されているのがアントレプレナーシップだ。では、今、日本で求められるアントレプレナーシップとはどのようなものなのか、日本におけるアントレプレナーシップ教育の課題はどこにあるのか、その精神を備えた人材を育成するにはどのような取り組みが必要なのか。早稲田大学大学院経営管理研究科の教授であり、日本を代表する経営学者である入山章栄氏にお話を伺った。アントレプレナーを増やすことは今や喫緊の課題そもそも日本は主要先進国と比較して開業率(一定期間に新規開業した事業所の数がその期間の総事業所数に占める割合)が低いと言われている。図 1 に示した通り、日本のアントレプレナーシップ教育の課題と高等教育機関の役割I n t e r v i e w インタビュー「知の探索」と「知の深化」。そのバランスがアントレプレナーシップ教育の要諦入山章栄 氏

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