キャリアガイダンス保護者版
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 学校見学における保護者の役割はまず、交通・宿泊の手配や費用の面でのサポートでしょう。また、「志望校なら保護者も一緒に見学しておくと安心」と延沢先生。教員のフォロー体制や周辺環境など、子どもは目が届きにくい部分も大人の視点でチェックできます。 保護者が学校を見る際に心がけたいのは、かつての学校イメージや先入観を改めること。「大学や専門学校の取り組み内容、人気や難易度は、保護者の時代からだいぶ変わっています。現状を知ったうえで子どもの相談に乗ってほしいと思います」(岡本先生) 多くの大学・専門学校は夏休みごろ、オープンキャンパスなどの見学イベントを開催します。参加すると、大学や専門学校で学ぶイメージが具体化でき、志望校選びや、勉強のモチベーションアップに役立ちます。高校でもこうしたイベントへの参加を推奨。事前に学校情報を調べさせ、参加後にレポートを提出させるなどの指導を行い、参加効果アップを図っています。 「大学なら、できれば国公立と私立、それぞれ2校以上見ておきたい」と岡本先生。複数校を比較することで、自分に合う学校がより明確になります。調査によると先輩高校生は平均3・56校の学校イベントに参加(※1)。4人に1人が1年生の時から学校見学を行っています(上図)。 参加する際は、あらかじめ学校情報を調べて知りたい項目をあげておき、積極的に先生や先輩に質問しましょう。また、オープンキャンパスだけでなく、学園祭や普段の日など多様な場面を見られると学校選びに役立ちます。アドバイスウィークポイント保護者の目線でのチェックも役立つ東京都立白鷗高校・附属中学校 進路部岡本眞一郎先生 山形県立新庄北高校 進路指導課延沢恵理子先生 都立青山高校、戸山高校といった進学校で進路主任を歴任し、2013年より現職。「『教師は生徒に作られる』という思いで、生徒と共に成長する」が信条。教師生活19年のうち16年進路指導に携わる。高校進路指導に携わる全国の女性の先生有志で「進路女子会」を結成し、より良い進路指導実践を目指して活動中。見学や体験入学などに参加し、大学・専門学校の様子を自分の目でチェック。オープンキャンパスインターネットや印刷物では、学生のタイプ、教員の対応のていねいさ、通学ルートの便利さ、キャンパスの周辺環境などがわかりにくい。また、その大学との相性を肌で感じることが難しい。自分で疑問やチェックポイントをもっていないと、一般的な情報しか得られず、「自分にとってどうか」を確認できない。どこの大学も同じに見えてしまう危険も。楽しいプログラムが用意されているオープンキャンパスに初めて参加すると、その学校が実際以上に魅力的に見えるもの。ほかと比較しないと、本当の良さや特徴はわかりにくい。学校選びの材料となり進学意欲アップに効果的1年生の時から参加し複数校を比較わが子のケースを記入■高校生が初めて大学・短大・専門学校を 見に行った時期今年度に行っておきたい学校①       ②       ③先生からのアドバイスインターネットの情報で十分だよ行ったらすごく良かった!ここに決めた第一志望校だけ行けばいいよね行けば何か教えてくれるんでしょ?リクルート進学総研「進学センサス2013」小学生の頃・それ以前 0.3%中学生の頃1.5%高校1年24.9%高校2年34.5%高校3年 31.8%あてはまることはなかった5.2%無回答 1.8%聞き流さないで! その時の子どもの発言取材・文/藤崎雅子※1:リクルート進学総研「進学センサス2013」18

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