高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2015
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高校の先生に聞いた学習全般のつまずきポイント冒頭では先生方に聞いた、科目別の超具体的なつまずきポイントをご紹介しました。それだけではない、高校での学習全般のつまずきやすいポイントを見てみましょう。 高校に入って勉強につまずくのを見かけます。ショックを受けるのも時には必要なことでしょう。そのことで、「中学と同じ勉強の仕方ではダメなんだ」と気づいて工夫することにつながるからです。子どもたちは授業の現場にいますから、ある程度時間が過ぎるとこうした事態を受け入れていきますが、子どもの成績が落ちたり、宿題の量が急に増えると、あわててしまう保護者の方もいらっしゃいます。 高校は子どもたちが社会に出るまでの通過点に過ぎません。生徒たちにより高いレベルの目標を持って次のステップに進んでもらうためには、これから学ぶことの広さや深さ、勉強する目的を理解し、どう学んでいくべきかを、自分の力で見つけていかなければならないのです。  試験の後に、生徒たちにどんな勉強の仕方をしたか振り返りシートを書かせると、良い成績を取った生徒同士が、正反対の方法を答えることがあります。つまり、勉強の仕方はひとつではなく、自分に合った方法を見つけられた生徒が、つまずきから克服できるのです。 自分なりの方法は簡単には見つかりません。最初の方法で失敗したら、課題をじっくり振り返り改善点を考えて、他の勉強法を試してみることです。一度成績が下がっても、自分に合った勉強方法がわかればV字型に回復していきます。ただし下がり過ぎるとやる気を失うことがあるので、1年夏休み前までの下げ幅をなるべく少なくすることが大切です。そのためにも、まずは学校の指導通り学習して自分の課題を見つけ、試行錯誤を早めにスタートする努力と工夫が必要だと思います。静岡県の総合学科高校、中高一貫、進学校などさまざまなタイプの学校で教鞭を執り進路指導を行う。進路指導に関する著書、雑誌等での執筆も多数。静岡県立浜松北高校大村勝久先生中学では国数英社理の5教科だった科目が、数Ⅰ、数A、物理、化学など細分化され、かつ一つひとつが深掘りされていくことに、まず子どもたちは面食らってしまうようです。学ぶ量が格段に増え、講義型の高校の授業では、生徒が理解しているか否かに関わらず進行していきます。中学とは比較にならないスピードに、自分が何がわからないのかもわからず戸惑う生徒もいます。中学までは授業時間だけで理解できた生徒でも、高校の授業のスピードと量では、予習・復習なしでは授業についていくことも、習った知識を記憶していくことも難しくなるようです。プリント学習を取り入れている中学が多いため、自らノートを取る習慣がついていないと、多数の先生が回答。先生の話を理解しながらノートを取ることにハードルを感じてしまうのかもしれません。塾で言われた通りに勉強してきた子どもも多いため、自分で勉強する方法を知らないと多くの先生が感じています。受身ではなく自主的に予習・復習する術を早急に身につけることが求められます。中学よりも通学時間が伸びる生徒がほとんどで、また部活や学内行事なども盛んになることで、家で勉強に費やせる時間が減ります。時間を効率的に使う大切さに気づけるかもポイントになります。科目の細分化授業のスピード予習・復習の重要性ノートを取れない家庭学習がわからない時間がない伸びる勉強の仕方は生徒それぞれ。素直に自分を見つめ自分に合う方法を試行錯誤できるかどうか21

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