高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2015
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小学生を対象に、iPhoneアプリ開発などが体験できる3日間のキャンプと初歩的なプログラミング技術を習得できるスクール事業を展開。アイデアを実現する力、世の中に能動的に働きかける力を育むことが狙いサイバーエージェント入社4年目で子会社の代表となった上野朝大さん(26)社会を良くすることに貢献したい!この強い思いが行動の原動力大ヒットスマホ連携文具『ショットノート』を開発した遠藤 慎さん(30)原点は〝ものづくり〞への好奇心夢中になった経験が力になった 上野朝大さんが会社から子会社設立と代表就任を打診されたのは入社4年目のこと。小学生向けプログラミング教育という事業内容は世界的にも例のない取り組みです。しかし、上野さんは「前例がないからこそトップランナーになれる」とこのチャンスに飛びつきました。 入社年次に関係なく若手が大胆に抜擢される企業風土のなか、自らも若くしてマネジメント経験を重ね、実績を残しながら、経営への関心を高めていた矢先でした。 事業は3日間の体験イベントからスタートしましたが、上野さんは子どもたちの「プログラミングって楽しい!」という反響を見て、スクール事業立ち上げの前倒しを決断。1カ月強で一気に準備を整えました。このスピード感こそが自分の経営の信条だと上野さんは言います。 では、この若き経営者の行動力の原点はどこにあるのでしょうか?  「大学2年のノルウェー留学中、『今でなければできないことをしたい』と思い、日本大使館にインターンで働かせてほしいとお願いしたんです。募集もしていないのに(笑)。普通なら無理な話ですが交渉の結果、雇ってもらえました」 自分が働きかけることでものごとは変えられる││。20歳前後の若者にとっては大きな経験です。もともと好奇心旺盛だった上野さんの関心は生活圏から社会へと広がっていきました。 同時に、「社会を良くすることに貢献したい」という目標をもつようになります。実は就職活動時は総合商社志望。「世界の食糧問題を解決したい」という思いを抱いて最終面接まで行ったものの内定は得られませんでした。しかし、今は教育事業に大きなやりがいを感じています。どんな業界・会社で働くかではなく、(株)CA Tech Kids代表取締役社長。大阪府立鳳高校、立命館大学国際関係学部卒業。2010年、サイバーエージェントに入社。入社後はインターネット広告事業の営業、Facebookの広告商品開発などを担当。2年目にはマネージャー、事業部長を経験。その後異動したスマートフォン関連の部門では、自身がプロデュースしたアプリがダウンロードランキングで1位となる。入社4年目の5月、サイバーエージェントが同社初の教育事業として設立した子会社、CA Tech Kidsの代表に就任Tomohiro Ueno上野さんが“自走”する力を身につけていったプロセス小中学校時代3人兄弟の末っ子で自由に育てられた。父親が自営業で、自宅で仕事をする姿を日ごろから見ていた。高校時代陸上部に所属しながら週末にイベントスタッフのアルバイトをしたり、町の道場で柔道を習い始めたりと、おもしろそうと感じたことには積極的にチャレンジ。英語、国語、社会は好きだったが数学は苦手だった。大学2年ノルウェーに留学。今しかできないことをしようと、募集もしていなかった大使館のインターンに志願。交渉の末、研修員に。就職活動「世界の食糧問題を解決したい」という目標を抱き、総合商社を志望するが叶わず。サイバーエージェントへ。内定後入社1年目の先輩が社内で新人賞を受賞し、1000人以上の社員の前で表彰されているのを見て、やる気に火がつく。入社2~3年目「何をやるにしても期待値の120%で応える」をモットーに、SNS・スマホ関連事業で次々に結果を出す。入社4年目CA Tech Kids設立にあたり、取締役社長に抜擢される。(株)CA Tech Kids飽くなき向上心が日々の成長につながる26

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