高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2015
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全学生の約半数が参加した「学生リアル調査」こうした様々な大学の取り組みを果たして学生はどう評価しているのか。そんな学生の意識を調べようと、全学生を対象とした「國學院大學 学生リアル調査」が2014年7月に実施された(上図)。特筆すべきはこの調査への回答率の高さだ。自由参加のアンケートにもかかわらず、2週間の調査期間で得た回答数は5137件。全在学生1万405人の約半数にあたる49・3%が参加したことになる。「強制ではないアンケートでこれだけの学生が参加してくれたことい」として、教育・研究・人材育成・国際交流・施設設備といった分野で基盤整備を行うことが柱になっている。具体的な項目を見てみると、日本の文化や伝統を体験的に学ぶ「國學院科目」の設定、英語で日本を学ぶ演習授業である「Japan Studies」の充実、様々な留学支援制度の拡充、学生の学内就業体験「ワークスタディ」の実施といった施策を実行することで、「自らの専門を学びつつ、日本を知り、自分を見つめ、その中で明るく清く誠実な心を保持し、世界に向けて自らを説明・発信できる人材の育成」という、同大学が掲げている教育目標を具体化させている。國學院大學1882年(明治15年)創立。神道の研究・教育機関であった「皇典講究所」を母体とし、日本人が拠って立つ基礎を研究・確立することを目的に開学した。1920年(大正9年)の大学令により、私立大学として最初に認可された大学のひとつである。現在は文学部、神道学部、法学部、経済学部、人間開発学部の5学部を擁し、渋谷とたまプラーザ(横浜市)に2つのキャンパスがある。●DATA〒150-8440 東京都渋谷区東4-10-28TEL03-5466-0141(入学課)http://www.kokugakuin.ac.jp/URL39学生の帰属意識の高さと熱意は大学の財産のひとつ國學院大學大学事務局長白川博一 氏 現在國學院大學は、「21世紀研究教育計画(第3次)」という短中期計画をもとに、より価値ある大学を目指して教育改革を実行しています。「3つの慮(おも)い」と「5つの基(もと)い」という大学の使命と行動計画をもとに様々な取り組みをしているわけですが、果たして学生はこうしたことをどう感じ取っているのか。大学の狙いやメッセージが、学生にきちんと届いているのかを確かめたい。そんな思いから「國學院大學 学生リアル調査」を計画しました。これまでも学生調査はさまざまな角度から行われてきましたが、いずれも断片的なサンプリング調査です。半数の学生のリアルな声を聞き、これまで感覚的に捉えていた学生の姿と声を「見える化」できたことの意味は、とても大きいと思っています。 今回の調査で、学生たちは國學院大學を「自分の大学」として捉え、積極的に関わることで大学生活をより充実させたいという意欲が、とても高いことがわかりました。「あなたにとって國學院大學とは?」というフリーコメント欄にも、とても前向きな意見が多数寄せられています。詳細な分析はこれからの課題ですが、大切なことは、この調査から伝わってくる学生の熱意をどう受けとめ、どのように活かしていくかということ。しっかりとコミュニケーションを取りながら大学のあり方を考えていきたいと思います。は、たいへん大きな意味があると感じています」と学生リアル調査を担当した白川博一事務局長は言う。「教員と学生の距離が近く、人を育てるという学風が本学にはあります。だからこそ、学生たちは私たちが考えている以上に大学にしっかりと向き合い、その期待も高いのでしょう。この結果を学生生活の充実や教育・研究にどう活かしていくか。本当の仕事はこれから始まります」(白川事務局長)。133年の伝統を大切にしながら、グローバルの時代に生きる現代の学生たちをどのように導いていくか。國學院大學をさらに充実させるための改革は今も進んでいる。半数が回答するという非常に高い参加率は、学生の大学への帰属意識の高さがうかがえる結果になった。■國學院大學の学生であることの満足度■國學院大學への好意度嫌い2.4%やや嫌い4.1%どちらともいえない19.5%やや好き39.2%好き34.7%全く満足していない3.3%あまり満足していない7.5%どちらともいえない20.0%おおむね満足している51.0%大変満足している18.2%● 「國學院大學 学生リアル調査」(2014年7/14~7/31)

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