「女性のキャリア教育」の先駆者134年の一貫した姿勢に高い評価東京家政大学/東京家政大学短期大学部 Tokyo Kasei University女子大学として 志願度上位にあがる伝統校高校生の大学選びの動向を探る「志願したい大学ランキング」(弊社調査)で、女子大学として毎年上位にあがる東京家政大学。現代の女子高校生からも支持を受ける同学の歴史は、まだ武家社会の慣習が色濃く残る明治初期にまで遡る。開学は1881年。教育者・渡邉辰五郎が前進となる「和洋裁縫伝習所」を設立した。女性のキャリア教育の先駆けとして、渡邉が掲げたのは「自律して生きる女性」の育成だ。これには、相次ぐ戦争などで一家の大黒柱を失い、手に職がないまま子どもを抱え困窮した、女性たちの姿が念頭にあった。女性が自ら人生を切り拓くためには、高い専門性と教養を習得することが土台となる。創設者のこの想いこそ、建学の精神「自主自律」の出発点である。「自分の食いぶちは自分で稼ぐ。そのために130年以上も前から、本学は女性のキャリア教育に取り組んできたのです」と、東京家政大学常務理事の岩井絹江氏は話す。世間では今、女性の働き方への関心が高まりを見せる。だが、同学の人気は、これを受けた一時的なものではないだろう。ぶれることなく、ひたむきに女子教育に力を注いできた結果が、まさに高い評価として現れているのである。新たな歴史を刻む 医療・保育系2学部の誕生そのような伝統校でありながら、東京家政大学は時代に即した変革に意欲をもつ。一例が、医療・保育系2学部を新設した狭山キャンパスの2014年、リニューアルオープンだ。社会のニーズを踏まえた新学部誕生の背景には、昨今の看護ブームとは一線を画す骨太の計画があった。「新たな学部の設立は、10年がかりの構想でした」。岩井常務理事はそう振り返る。「2003年に立てた中長期計画で、地域貢献・高齢者事業・乳幼児事業の計画が出ました。ここで地元・埼玉の医療法人と意見を交わすなかで、チーム医療の最前線でスタッフを統率できるハイレベルの看護師が求められているという声があがったのです。これを発端に、4年制の看護学部設立に向けて大きく動き出しました」そこで「看護学部」では、高度な明治に誕生し、いち早く女性のキャリア教育に取り組んできた東京家政大学。2014年には新学部も設立し、教育への挑戦はつづく。創立から134年を経た今も女子高校生たちの心を掴む、その理由を探った。取材・文/酒井摂44東京家政大学 就職・資格取得実績●就職決定率、毎年90%以上〈2014年3月卒〉大学95%(就職希望者1125人)短大100%(同180人)●保育士・幼稚園教諭の就職決定率94%〈2014年3月卒〉就職希望者 174人中、164人●管理栄養士国家試験の合格率は、 直近3年間で99%2014年合格者 143人(99%)2013年合格者 147人(99%)2012年合格者 137人(99%)●社会福祉士国家試験の合格率は、 2014年度、私立女子大学新卒第3位合格者 15人(38.5%)※平均合格率は27.5%※「第26回社会福祉士国家試験学校別合格率」(厚生労働省発表データ)に基づく●小学校教員採用試験は、 2014年度64人合格現役(新卒)正規合格者 50人 臨時任用 14人東京家政大学が掲げる3つの取り組み●入学前から卒業まで、女性の人生を徹底サポート進学、就職、スキルアップ、再就職など、「進路支援センター」が親身に対応●就職活動支援に国家試験対策も、夢を叶えるまでフォロー支援イベントやガイダンスなどを多数開催。万全のフォロー体制により、毎年高い就職率・合格率を誇る●生涯にわたり卒業生を支援するOGネットワーク創立以来、卒業生の数は10万人以上「緑窓会」や専門分野別の組織が、卒業生をバックアップ東京家政大学・校祖渡邉辰五郎氏女子教育の第一人者。国立国会図書館のホームページでは「近代日本の肖像」の教育家13人(※1)のひとりとして、吉田松陰や福沢諭吉らとともに紹介された。(※1 現在は42人)
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