高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2015
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してきた校風そのままに、大学では入学前から卒業後まで一貫したサポートが行われている。また、母校とのつながりは生涯つづく。同窓会である「緑窓会」は全都道府県に支部を置き、再就職支援の窓口にもなっている。小学校教員や栄養士、服飾関係といった、専門分野ごとの卒業生団体もあり、勉強会などを通じ、専門職を目指す学生たちをバックアップする。創設者・渡邉辰五郎は建学の理念のなかで「新しい時代に即応した学芸技能に秀でた女性の育成」と、述べた。東京家政大学には、明治のひとりの教育者の志が、134年を経た今も、脈々と受け継がれている。狭山キャンパスでは、新しい取り組みに向けての動きもスタート。今後は教育の充実とともに、デイサービスや高齢者への教育支援なども視野に入れているという。人の誕生から最期まで、まっすぐに向き合う仕事。そのスペシャリストとして、今後もたくさんの卒業生たちが、狭山キャンパスから巣立っていくにちがいない。自立した女性を育む   開学から受け継がれる精神すでに同学の卒業生は10万人を超える。多くが自分の専門性を生かし、自立して生きる女性として活躍。こうした女性の生き方を応援知識と技術をもつ人材として、看護師・保健師・助産師を養成する。さらに、「発達障がいや慢性疾患にも対応できる人材の育成も急務」という現場の要望にこたえるべく「子ども学部」も設立。子どもの多様性をしっかりと受けとめられる保育士・幼稚園教諭の育成を目指す。都心にほど近い狭山キャンパスは、豊かな自然に囲まれた広大な敷地を誇る。キャンパス内にある「子どもクリニック」と保育所「かせい森のおうち」は、地域住民も利用する人気の施設だ。学生はキャンパス内で日常的に子どもたちとふれ合い、子育ての喜びや大変さ、障がいとのかかわり方などについて、体験として学びを深めていく。さらに寮やセミナーハウスもあり、キャンパスライフ全体がコミュニケーション力や問題解決力を身につけるための環境となっている。ここには、開学以来一貫して「人」に寄り添い支える、心豊かな人材を輩出してきた大学ならではの基盤もあるようだ。「いずれの学部も育てるのは、地に足をつけてたくましく生きる力にあふれ、凛と輝く職業人。社会人として世に出てからも、『家政大の卒業生は芯が強い』と、各界の方々から評判をいただいています」(岩井氏)。東京家政大学/東京家政大学短期大学部1881年設立の「和洋裁縫伝習所」を前身として1949年創立。家政学部(児童学科・児童教育学科・栄養学科・環境教育学科・服飾美術学科・造形表現学科)および人文学部(英語コミュニケーション学科・心理カウンセリング学科・教育福祉学科)、短大(保育科・栄養科)はいずれも板橋キャンパス。2014年度に看護学部(看護学科)、子ども学部(子ども支援学科)を狭山キャンパスに新設。●DATA東京都板橋区加賀1-18-1/埼玉県狭山市稲荷山2-15-1TEL03-3961-5228(入試問い合わせ)http://www.tokyo-kasei.ac.jp/URL45(左)東京家政大学・狭山キャンパス。8万3000㎡の広大なキャンパスは、西武池袋線「稲荷山公園駅」から徒歩3分。(右上)母性・小児看護実習室。実践的なスキルが身につく学習環境(右下)保育所「かせい森のおうち」。一人ひとりの子どもに合わせた保育実践を学ぶ。同じ建物内には「子どもクリニック」も入る。

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