高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2015
8/61

干渉ちょうどいい無関心話す話さない話す話さない保護者の自分へのかかわり度進路について保護者との対話仕事の楽しさについて保護者との対話90%80%70%60%50%40%30%20%10%0%69.676.456.077.153.077.068.030.223.644.022.746.822.931.8大人とは、「4つの自立」ができている人のこと 私は授業の中で、4つの自立について生徒たちに話しています。それは、自分で自分の暮らしを整えることができる「生活的自立」、自分で責任を持って判断できる「精神的自立」、収入に合わせて生活する見通しを持って暮らせる「経済的自立」、性を道具のように使わず、豊かな関係性を築くために使う「性的自立」のことで、この4つができる人を「大人」だと伝えています。 自立と言ってもいつもひとりで何かをしなければならないのではなく、人の力が必要なときは借り、逆に困っている人がいれば力を貸せる、持ちつ持たれつの関係性を作れることが大事です。 では、保護者の方々はわが子をどう見ているのでしょう? 面倒を見てあげたい存在とすれば、まだ「子ども」として見ていることになります。昔は15歳にもなれば労働保護者の役割はズバリ「自立支援」その名の通り子どもをかばい、守る立場の「保護者」。子どもが未成年の間は保護者と呼ばれ続けるものの、自立や自律に向かっていく学校教育の後半戦ともなれば、役割はただ守ることだけでなく、「自立支援」へとギアチェンジが必要です。「自立」とは具体的に何か?教育の目標の中での「自立」とは、辞書にあるような独立やひとりだちとは意味合いが異なります。では、具体的にどのような状態を指すのか、南野先生にうかがいました。13年間英語教員を務めた後、大阪府立高校で初の男性家庭科教員に。NHK教育テレビ高校講座「家庭総合」講師。著書に『正しいパンツのたたみ方』(岩波ジュニア新書)など。大阪府立八尾北高校南野忠晴先生者として扱われ、社会的活動に参加していました。その年齢でも大人と同じ体力や能力を持っているということです。しかし今は高校という枠の中でしか能力を発揮する場がないため、経験を積む場がなく、勉強や部活の成績でしか判断されていないことが多いのです。保護者がわが子を子どもとしてしか見ていなければなおさらです。役割を与えて、自分の可能性を発見させる わが子を「大人になろうとしている人」として見て、日常生活の中でも役割を与えると、自立の道はぐんと近づいてきます。例えば私が「お弁当を自分で作ってみてください」と生徒たちに言ったところ、3年間それをやり遂げた生徒がいました。初めは大変だったようですが、続けるうちに料理や買い物のコツがわかり、最後には要領良く作れるようになり、自信につながったと言うのです。わが子を「子ども」として扱わず「大人になろうとしている人」と見てほしい 子どもに手をかけすぎるのは「支配」と同じことで、子どもは「言うことを聞いていればいいんだ」となってしまう。そこには親子の「信頼」がありません。自立支援に最も大事なのは信頼で、親が信頼して何かを任せれば、子どもはそれに応えようとがんばるのです。朝起こしたり、勉強しなさいと言うのは、わが子を信頼していない証拠。「心配」だからと言う人もいますが、多くの場合、親自身の安心のためにやっているのです。 親は子どもよりも人生経験に長けています。少し先の未来を見据えて、わが子がどんな大人になっているかイメージしながら接してほしいと思います。どう生きていきたいかは子ども自身が決めることですが、それを決められるよう個性を一緒に探してあげるパートナーであってほしいです。自分の進路を歩んでいけそうか(進路への自信) ■「自分の進路を歩んでいけそうと思う」と答えた高校生 ■「自分の進路を歩んでいけそうと思わない」と答えた高校生“自信がない”高校生の保護者は無関心派が多い?“自信がある”高校生は保護者との対話あり10

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です