高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2016
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志望校に揺れる心 4月の進路ガイダンスで入試本番までのスケジュールを聞いて、ダイキは気が重くなりつつも、いよいよ高校生活最後の年なんだと改めて意識した。部長を務める鉄研に、鉄道のことを語り合いたくてたまらないというおもしろい新入生も入ってきた。部活はあと半年ぐらいだけれど、悔いが残らないよう打ち込もうと思う。 5月になると進路希望調査があった。メカ鉄なので工学系が有名な大学の名前を書いておいたけれど、自宅から通えない大学ばかり。現実的なのかと不安がよぎる。 体育祭でダイキは緑組のリーダー。準備期間は勉強する間もなく忙しかったけれどやりきった感がある。けれど、体育祭直後のマーク模試は第1志望がE判定。へこんで進路指導の先生に相談したら、「工学部になぜ行きたいと思った? 何を学びたい?」と聞かれた。メカ鉄だったけど3年間の鉄研生活で、鉄道の脳である情報システムがおもしろくなり、運輸全般にも興味が広がった。それで、情報工学で再検討してみた。 7月には三者面談があった。マーク模試以降、志望を変えようとしたら、親に「そこ、聞いたことないけど大丈夫?」と言われた。親が知ってる大学ってどこだよ?と怪訝に思うダイキ。先生にも、第1志望をあきらめるのは早いと言われ、もうちょっと頑張ってみるかと思い始めた。3年生高校3年生・ダイキの1年間【小島先生からのアドバイス】「子どもが進路で迷うと、保護者も不安になるものです。保護者向けの進路ガイダンスに参加して情報を得ておくと、子どもと話す時にも『親はわかった上でかかわってくれている』と信頼につながります」ダイキ伽里街高校3年生。理系に進級したもののいまだ悩める受験生。進路希望調査/この時期の進路希望調査では、将来どんなことを学びたいか、それを学べるのはどんな学部や学科で、それがあるのはどんな大学かを考え志望校を絞り込んでいきます。子どもが志望校を具体名で挙げたときに、こうした理由が言えるかどうかがポイントです。進路指導/学校の進路指導の先生はその道のプロです。志望校の選び方を生徒と一緒に考えたり、考えを促してくれたり、考えるのに必要な情報を提供してくれたりするので、進路に迷っているようなら「進路指導の先生に相談してみれば」と声をかけてみるのも手です。体育祭の準備/体育祭や文化祭などの行事や部活に熱中しすぎて、3年生なのに勉強していないと保護者は心配になると思います。けれど学校で友達と力を合わせる行事は発散の場。そこでやりきった自信や達成感が受験勉強を乗り越える力にもなるので、見守ってあげましょう。登場人物*進路ガイダンス/3年生の進路ガイダンスでは、主に入試までのスケジュール確認が行われます。一般入試はもちろん、推薦、AO入試を含めて願書の受付時期、入試時期を聞くことで、入試へのカウントダウンが始まります。7月5月6月4月入試スケジュール*1998年生まれの男子の名付け第1位「大輝」18for Parent 2016

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