高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2016
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3月2月1月12月スイッチ 夏休みは勝負と思い、ダイキは学校と塾、両方の夏期講習に行った。並行して秋の文化祭での部活の発表の準備も頑張った。そこで調べているうちに、鉄道には理系だけでも機械工学、都市工学、電気電子、情報工学などさまざまな学部出身の職種があることがわかってきた。航空会社やロケットを作る会社ならもっとあるのだろう。大学で学ぶことがワクワクしてきた。お盆休みに親とも話して、国公立だったら下宿でもいいと言ってくれたので、国立目指して頑張ろう。 9月の文化祭で楽しかった部活は引退。心残りは、去年体育祭で一緒だった演劇部の子、見に来てくれるかと思ったけど来なかった。これから受験勉強にスイッチを入れなきゃいけないし、とダイキは割り切った。 10月のマーク模試はまさかの理系科目全滅。なぜか文系科目のほうが点が高く、一瞬文転しようかと悩んだけれど、もしかしたら解答欄を間違えたのかも。そうに違いないと自分に言い聞かせた。放課後、部活仲間と一緒に残って勉強するのも楽しくなってきた。問題集を解くたびに壁にぶつかる気持ちになるけれど、模試の結果はだんだん上がってきた。 1月、いよいよセンター試験。親は何か言いたそうだったけど、いつものように送りだしてくれた。自己採点の結果は第1志望ギリギリのライン。安全策で志望を落とすべきなのか…。でも模試ではマークより記述のほうが良かったから、第1志望の入試に賭けてみたい気持ちが強い。進路指導の先生も「高校生の君たちは、最後の1日まで成長するんだよ」と言ってくれた。ラストスパートをかけて復習を頑張るダイキ。 そして第1志望の入試の朝。澄みきった晴天。電車の窓から遠くに富士山が見えた。緊張していたダイキの肩から、ふっと力が抜けた。 「今日はいい日になるはず」自己採点/センター試験の結果は、申込時に希望すれば点数を知ることができますが、通知が来るのは4月。センター試験の結果を受けて受験校を決めるためには自己採点をします。自己採点で子どもが落ち込んでいたり、ボーダーラインで迷っていたときは、経験豊富な担任や進路指導の先生に相談するのが一番です。保護者は子どもと一緒に慌てたりせず、どっしりと構えて見守り、落ち込みが激しい場合に励ましの声をかけてあげましょう。三者面談/3年生の三者面談は保護者にとってもひとつの山場。子どもの志望について、先生の意見を聞き、志望に向かって残りの時間で何をすべきかを保護者も知ることができる機会です。避けたいのは、親子の思惑が違うことがこの場で初めて露呈すること。進路を決めるのは本人ですが、進学には費用面など保護者のかかわりは必須なので、面談に臨む前に子どもの希望や保護者の事情を伝え合えると安心です。マーク模試とはセンター試験対策用のマークシート形式の模擬試験のこと。3年生の中盤になると記述模試と併せて、毎月のように模擬試験が行われ、受験への臨場感が増していきます。理系を選択していた子どもが、途中で文系に変更すること。模試の成績でショックを受けて選択に迷いを感じ始める子どももいますが、転向はリスクも大きいので、慎重に検討すべきことです。マーク模試文転8月9月10月11月AO入試 出願開始推薦入試開始センター試験出願専門学校出願開始センター試験私大入試開始国立二次試験開始19for Parent 2016

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