高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2016
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for Parent 2016134年の「日本を学ぶ」伝統が、次世代型グローバルマインドを育む國學院大學 Kokugakuin University日本の私立大学として、   最も長い歴史を誇る伝統校「日本のトラディショナルな文化も、最先端の文化も、國學院大學であればすべて吸収できると直感したのです」。そう語るカナダ出身の男子留学生は、顔をほころばせた。世界中からたくさんの人々が訪れ、日本のグローバル化を象徴する街、渋谷。その中心部から歩くと、ほどなくして閑静な地区となり、國學院大學・渋谷キャンパスのモダンな18階建て校舎、若木タワーが姿を現す。同学は日本の私立大学として、最も長い歴史をもつ大学のひとつである。学内に併設する國學院大學博物館には、考古遺跡の出土品や、古来の祭礼を彩ってきた神宝・装束など、国の重要文化財を含む学術資料が重厚な展示空間に並ぶ。さらに古事記(梵舜本)や源氏物語(久我本)をはじめとする貴重本等150万冊以上の蔵書数を誇る大学図書館は、人文科学系における国内屈指の図書館として名高い存在だ。これら優れた研究活動による膨大な成果物は、同学に綿々と受け継がれてきた伝統を物語る一端といえるだろう。グローバル時代だからこそ、不可欠な「日本を学ぶ」教育國學院大學の母体となった「皇典講究所」は、「国学」の教育・研究・理念の発展を目的に、1882(明治15)年に創立した。近代国家の建設に向けて、日本が初めてグローバル化の荒波に直面した激動の時代。そのような只中にあって同学が掲げたのは「自らのことを知らずして、西欧文明の価値を見極めることはできない」という強い想いだった。それから134年を経てもなお、國學院大學は「日本を学ぶ」教育を一貫して実践してきた。そして日本が再びグローバル化の渦中にある今、「日本を学ぶ」ことが、語学の習得以上に重要度を増している。なぜならば、自文化である日本の文化・歴史を深く理解し、国内外に発信できる力は、まさに異文化コミュニケーションと直結し、来たるべきグローバル時代に本当に求められているのだ。体感する『國學院科目』で雅楽も、礼法も習得する伝統校だからこそ、國學院大學は時代に即した改革に貪欲なまでに“日本を学ぶ”「国学」を名に冠する大学として、134年にわたりその教育を実践してきた國學院大學。日本のグローバル化が加速する今、同学では先鋭的な改革のもと、開学以来取り組んできた学びが、さらなる深化をみせる。取材・文/酒井 摂30(左上)国の重要文化財をはじめとする数々の学術資料を収蔵する「國學院大學博物館」。さらに150万冊以上の蔵書数を誇る大学図書館は、人文科学研究における日本屈指の図書館として知られている。(右上)2015年には渋谷キャンパス1号館に54畳敷の「和室教室」が誕生した。この教室では『國學院科目』を中心に開講している。(左下)平安貴族の月見の集いを再現した秋の「観月祭」は國學院大學の恒例行事のひとつ。神道文化学部の学生を中心に雅楽や舞を披露。地域住民や近隣の各国駐日大使館員らも訪れ、毎年多くの人で賑わう。

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