高校3年生の保護者のためのキャリアガイダンス
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有意義な面談にするために親子で会話しよう!● 親子双方の気持ち・希望・状況を 整理しておく事前に子どもの希望を聞いて、お金のことなど親側の事情も子どもに伝えておきましょう。● 先生に聞きたいことを、 親子双方でまとめておく親子では解決できない進路のわからないことについて、先生に質問することをまとめましょう。こんな面談はもったいない!三者面談NG集● 黙ってしまう子どもが志望校を決めていなかったり、保護者がそのことを知らなかったりすると、先生から尋ねられても答えられず、その場で考えて黙ってしまうケースも。● 親子ゲンカする子どもの希望と保護者の希望や事情のすり合わせが家庭でできていないため、面談の場でお互いの考えを初めて知って、先生の前で言い争いになることも。● 疑問が何も解決しない面談では、子どもや保護者の知らない、進路のプロならではの情報を聞けるのに、「わからないことがわからない」状態では質問もできずに終わります。す。面談がうまく進まないのはどんなケースなのでしょう?「事前にご家庭での話し合いがなく、面談の場で親子ゲンカが始まることはよくあります」(小出先生)。「親子の考えが違っていて、その場が親御さんの独壇場になるケースもあります。『子どもはこう言っていますが、私の考えは違います』と主張されるのですが、親御さんが今の受験システムや大学の現状をご存じないことが多々あります」(多田先生)。 保護者の時代にはなかったAO入試などの入試制度の多様化だけでなく、大学も学部も多様化したり、学校名や学部名が昔と違っていたり、偏差値や就職率も親の時代とはまったく異なっているのが今の時代。昔は無名だった学校が、今は就職に有利になってい 三者面談は、子ども・保護者・先生が一堂に会し、子どもの進路を相談する大切な場。家庭も学校も、子どもにとっては日常の場であっても、保護者と先生がそろうことで特別な緊張感が生まれ、思うように話しができないこともあります。「三者面談では、生徒の志望校を尋ね、成績と付き合わせて、入試までの対策も話し合います。保護者の方々にとっては、お子さんの現実を突きつけられる場になるので、覚悟も必要かもしれません」(小出先生)。 面談時間は学校にもよりますが、1組30分程度しかないため、いかに有意義に話し合いを進めるかが重要でることも珍しくありません。「大学や入試制度は今後ますます変わっていきます。ですから、保護者も現代の進路情報について調べて知っておくことが必要ですね」(小出先生)。「大切なのは、子どもが望む生き方・あり方を、保護者・学校が力を合わせて引き出してあげることです。子どもの希望をかなえるために、どういう仕事を選んだらいいか、そのためにはどんなことを学べばいいかを考えるのが進路指導で、そのすり合わせの場が三者面談です」(多田先生)。 有意義な三者面談のためには、事前に親子で進路について一度は話し合ってほしいと両先生は語ります。親子の会話のきっかけとするためにも、綴じ込みの「三者面談準備シート」を活用してみてください。東京都立晴海総合高等学校主任教諭多た田だ早さ穂え子こ先生英語科の教鞭をとる一方、平成10年より東京都高等学校進路指導協議会に携わり現在常任理事。粘り強くあきらめない指導がモットーです。東京都立晴海総合高等学校主任教諭小出和代先生多田先生同様、平成18年より東京都高等学校進路指導協議会の常任理事。生徒に対して手を抜かず、自虐ネタを交えながらも正直に接しています。高校3年生の三者面談は、子どもの進路を学校と話し合えるまたとない機会。貴重な時間を有効活用するために、進路指導のエキスパートの先生にアドバイスをうかがいました。綴じ込みの「三者面談準備シート」も是非ご活用ください。構成・文/長島佳子保護者の時代とは違うことをまず認識して臨みましょう26for Parent 2016

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