高校3年生の保護者のためのキャリアガイダンス
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突然、地元外の私大に行きたいと懇願されてしまった。いろんな意味でピンチ!||経済的なことや、一人暮らしの心配もあるけれど、子どもの夢もむげにしたくないので、あたふたしてしまう例です。多田先生 遅かれ早かれ、子どもは自立していきますから、自立するいいチャンスなのだと受け止めてはいかがでしょう。ただし、その理由は確認しなくてはなりません。 進学の目的がはっきり定まっていなくて、親元をとにかく離れたい、一人暮らしをしたいというだけなら、「それは主旨と違うんじゃない?」と話をしたほうがいいでしょう。||確かに、そうですね。多田先生 経済的なこともあるので、一概には言えませんが、「地元外で遠くて通えないけど、どうしてもやりたいことがある」というのなら、なるべくなら認めてあげてはいかがでしょう。もちろん、それなりのお金をかけるのですから、親として「それを学ぶのなら出してあげられる」というのが納得できるかがポイントだと思います。||突然、こういうことを言いだすというのは、家の経済状態を知らない可能性もありますね。小出先生 意外に、家の経済状況や入学手続きのためのお金のことや払い込むタイミングなどについて、親子で話し合いがされていないケースが多いんです。例えば、推薦・AO入試などでは、比較的早い時期に合否が出る場合もあります。早ければ秋ごろにまとまった金額を支払うこともあり得ますので、その場合は準備が必要ですが、親子で情報共有できていないと大変です。多田先生 保護者の方は、経済的なことを曖昧にせず、家庭の経済状況と、どこまでならお金を払えるかということは、早めに伝えておくべきですね。小出先生 例えば、高3の4月の段階で、「うちの経済状況はこうだから、いつまでにお金がいくら必要か早く調べてね」と伝えると、志望校のことも調べ始めるのではないでしょうか。||それはいい方法ですね。CASE3ただ親元を離れたいというだけなら、注意が必要お金の準備があるから早く調べてねと促す「ダメ、とにかくダメ」「どうして、その大学に行きたいのかな?」「お金を準備する都合があるから、早めに志望校を教えてね」●親元を離れたいだけなら要注意。●どうしてもやりたいのかを確認して、納得できるか。●経済的なことは、4月には子どもに開示しておく。ポイント40for Parent 2016

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