高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2017
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for Parent 2017国際貢献学部が誕生(設置構想中)世界が待つ知的チェンジメーカーを育成京都外国語大学 Kyoto University of Foreign Studies建学の精神を時代に合わせて体現京都外国語大学の教育のベースにあり、かつ一連の改革の指針となっているのが、「言語を通して世界の平和を」という建学の精神だ。松田武学長は次のように語る。「本学が設立された1947年と現在とでは、時代的背景も国際情勢も大きく異なっており、その間にさまざまな社会的変化も起きています。当然、〝言語と平和〞が指し示すものも変わってくるでしょうし、そうあるべきだと考えています。つまり、私たちには、この建学の精神の中身を常に問い直し、時代のニーズに合ったものに作り直していくことが求められているのです」今、同大学が推し進めているのは、「言語=外国語学習」「平和=社会科学の統合的探究」とする考え方を土台にしたグローバル人材育成だ。そして、これを象徴するのが、2018年4月の新設を計画している「国際貢献学部」である。現在の外国語学部国際教養学科を発展させて、新たに学部を設置する。「グローバルスタディーズ学科」と、「グローバル観光学科」の2学科が設置される予定。地球規模での活躍をめざすグローバルスタディーズ学科国際貢献というと、国際機関やNGOでの活動などがイメージされるが、同大学では、「国際貢献学」を次のように、より広く定義している。世界で起きている事象を、国民国家の枠組みを越えグローバルな視点から柔軟かつ多面的にとらえ、他者の意向を尊重しつつ対等な立場で意思疎通できる能力を養うこと。学際的な学びを通して得られる「学問知」と実践を通して得られる「経験知」を統合する能力を培うこと。社会や組織の課題を解決し、人類共通の利益に資する諸変化をもたらす能力を培うこと。「グローバル化の進展にともない、ヒト・モノ・カネが自由に国境を越えて私たちの生活に影響を及ぼしている現在は、ビジネスにおいても新しい課題が次々に生まれてきます。国際貢献学によって養われる力は、狭義の国際貢献・国際協力にとどまるものではなく、国内外で課題解決に取り組むすべての人に求められる力です。語学に加え、社会科学の技法も身に付けることで、世界が求める〝知的チェンジメーカー〞を育てていきたいと考えています」これまでの同大学は、語学や文化を中心とした人文科学を教育の軸としていたが、そこに、政治学、経済学、経営学などの社会科学の要素を30世界のコミュニティーで実際に取り組み挑戦する「コミュニティーエンゲージメント」。貴重な海外体験が学びの原動力となる。国際観光文化都市である京都を舞台に、外国語教育を軸にしたグローバル人材育成に取り組む京都外国語大学。2018年4月「国際貢献学部」(仮称)の新設を計画(設置構想中)。教育内容や育成する人材像などの構想をレポートする。
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