高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2017
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for Parent 2017協力的で、ひとつのプロジェクトをきっかけに、『これもやってほしい』と新たなプロジェクトにつながることもあります。アクティブラーニングは学生が成長できるのはもちろん、地域も喜んでくれるし、教育や研究にフィードバックされて教員も成長させてもらっている。大人たちが学生に元気にしてもらっているようです」。そう語る朝比奈教授は笑顔だ。「いまこの国に必要なのは、社会の課題をビジネスで解決し、新しい価値を生み出せる人材です。これからの日本のためにも、学生を〝現場で育てる〞という、この新しい大学教育のスタイルをどんどん広げていきたいと考えています」。るぶ』や、企業のソーシャルビジネスを紹介する冊子『ソーシャる』を制作。地域や企業への取材・編集を通して、コミュニケーションスキルや発信力を修得するだけでなく、多様な仕事との出会いや働く人々との交流を、将来のキャリアについて考えるきっかけにすることも狙いの一つだ。1年目にこの経験をすると、学生自身も自分の成長やアクティブラーニングの面白さに気がつき、他のプロジェクトにも自発的に参加していく。2015年度は学部在籍数200名に対し、アクティブラーニングのプロジェクトに参加した学生はのべ700名以上に上ると言う。「提携する地域や企業はどこもドバイスをもとにブラッシュアップを重ねた「弘前ウエディング」プランは、17大学35チームがエントリーするコンテストで、2位に相当する「青森県知事賞」を受賞。弘前市長は学生一人ひとりに「ぜひ実現させてほしい」と語りかけ、学生たちはプランの策定、実行に向け動き始めている。まずは大学で学問から学び、実体験から結論を導き出し、それを発表し、事後学習として再び学問へ紐づけていく。このサイクルを繰り返していくことが人間社会学部のアクティブラーニングであり、そして千葉商科大学が掲げる「やってみる、という学び方。」である。将来のキャリア設計にもつながるアクティブラーニング実学教育を長年実践してきた同学に、人間社会学部が誕生したのは2014年。インターンシップに参加した学生が大きく成長して帰ってくる様子を何度も見てきた朝比奈教授は、「新しい学部をつくるなら、積極的に学生を大学の外に出し、現場を体験させるべきだ」と考え、同学部の教員陣はさまざまな体験型プロジェクトを用意した。1年次には全員が雑誌制作に参加する。過去3年で観光情報誌『る千葉商科大学巣鴨高等商業高校(1928年)を前身として1950年に開学。商経学部、政策情報学部、サービス創造学部、人間社会学部、国際教養学部の5学部7学科を擁し、専門的知識と幅広い教養を身につける「実学教育」を展開する。採用意欲の高い企業をネットワーク化した「CUCアライアンス企業」約690社(2017年1月現在)と連携するほか、合同企業セミナーや学内選考会等、企業連携キャリアプログラムも豊富だ。●DATA千葉県市川市国府台1-3-1TEL047-373-9701(入学センター)http://www.cuc.ac.jp/URL35● 地域とつながる人間社会学部のアクティブラーニング地元の小学生が製作した手づくり行灯で、市川市の真間山弘法寺の石段をライトアップする企画を運営。弘法寺、真間地区の商店街有志、市川市、近隣小学校のPTAとともに、地域が一体となったお祭りを開催し、夜の寺社に幻想的な光の道をつくりあげた。2回目の開催となった2016年は、地域の小学校との連携が前年の1校から5校へ拡大。参加人数や行灯の数も増加し、お祭り当日も大変な賑わいを見せた。真間行灯ライトアッププロジェクト色とりどりの稲を使い千葉県山武市の田んぼに絵を描き出す「さんむ田んぼアートプロジェクト」。このプロジェクトは、山武市・福島県相馬市・神奈川県横浜市という3つの土地で、田んぼアート制作を同時進行で行う「大地を繋ぐ田んぼアートプロジェクト」の一環として実施。互いの土地を行き来し、農の中に根ざしたアートを通じた交流を行っている。また相馬市との交流から、被災地復興支援についての理解も深めている。さんむ田んぼアートプロジェクト1年生が入学直後から制作に取り組んだ『るるぶ』と『ソーシャる』。この成果が4年間の土台となる千葉商科大学人間社会学部学部長朝比奈 剛 教授

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