高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2017
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子どもが決めた志望校に賛成できない。もっと、上を目指してほしい||子どもの志望校に保護者が賛成できなくて、ストレスが溜まることもあるようです。多田先生 たぶん、保護者の考えているのは偏差値でいうところの上のことですね。偏差値だけではなく、その分野の中で「これを学ぶならこの大学」という特色や専門性の高さを調べることが大事。親子で一緒に調べてもいいし、どうしてその学校なのかを、じっくり話をする必要があると思います。小出先生 そこのほうが就職しやすいからとか、先々自分がやりたいことがあるからとか、自分で考えて選んでいる場合もあるかもしれません。選んだ経緯を聞いた上で、子どものビジョンがはっきりしているのであれば、親から見て無名の大学であっても、応援するしかないと思います。 昔の話をされる保護者の方も多いと思いますが、昔と今では、大学の評価も変わっています。昔それほどでもなかった大学の評価が上っていたり、その逆もありますので、保護者の方も情報を更新する必要があると思います。||保護者は「そこじゃなくて」とか「そこよりも」と言いたくなるのを我慢すべきなのですね。多田先生 本人の選んだ大学を「そうなんだね。そこもあるよね」と認めてあげて、その上で、「こういう大学でも、その勉強はできそうだけど、ここは調べてみた?」と、提案してみるのはいいと思います。ご自身の価値観を、一方的に押し付けるのが一番よくないです。||意外に、安易に大学のブランド名だけで、選んでいるかもしれません。多田先生 そういう時は、「名前だけで、選んでいるんじゃないの?やりたいことで選んでる?」と言っていいと思います。逆に、ここでいいやと今の自分でラクに入れそうなところを選んでいるように思えた時は、「今それだけの力があるんだったら、これから伸びるんだし、今ここで決めなくても、もうひと頑張りしてみない?」と声かけをするといいかもしれません。CASE2まずは、そこを選んだ理由を聞いてみることこんな大学もあるけど、と提案してみるのはアリ「そこじゃなくて、もっと上の大学目指して頑張ったら?」「そういうことが学びたいなら、こういう大学もあるけど、調べてみた?」●選んだ理由を受け止めた上で、こちらの提案を切り出してみるのは一つの方法。●昔の偏差値や評価だけで判断していないか、保護者も情報更新をしよう。ポイント49for Parent 2017

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