高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2018
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何気ない皆さんの子どもに対する行動が、求められる資質の育成に対して良い点、困る点があることを確認しておきましょう。子どものしつけは保護者の役目。生活態度を正す方向に導くのは当然の行動です。ただし言われないとやらない子がいたり、叱られると反発するなど子どもの性格にもよります。主体性をもたせるために、わが子が自ら正したくなる伝え方を工夫しましょう。多くの場合、学費は保護者が出すと思いますので、家計の実情からの希望ならよいでしょう。しかし、大学や学部について、具体的な進路を決めるのは子ども本人です。そこにも保護者の強い希望がある場合は、根拠を添えて話し合ってみましょう。子どもが遊んでばかりいると心配になって、つい言ってしまう言葉ですが、言っても効果がないことは保護者も自覚しているのでは?効果を期待するなら、本人が主体的にやる気を出すしかありません。勉強や進路に興味をもつようなタネをまく方が得策です。社会情勢について子どもと話すことは、子どもが広い世界に目を向けるきっかけとなるのでとてもいいことです。その際に、「このことについてどう思う?」と水を向けると、子どもが自分の考えを整理して言語化する助けになるかもしれません。進路を決めるのは子ども自身ですし、考える習慣を身につけるためにも、意向を問うのはよいことです。ただしその際に、保護者の意向が透けて見えるような言い方や、誘導は禁物。子どもが自分のやりたいことに気づける方向にもっていきましょう。子どもの成績が下がると保護者も過敏に。生活態度も気になってつい感情的に叱ってしまいます。生活態度の注意は成績と切り分けましょう。また、順位や偏差値ではなく、得点が前回より上がっていれば、がんばった努力を認めてあげましょう。明らかに間違っていることを正すときは、根拠とともに正しい情報を伝えましょう。世の中のできごとに対する考え方など、保護者と違う意見の場合、頭ごなしに否定せず、なぜそう思うかお互いに話し合うことで、多様な考えを受け入れる力が身に付きます。一番身近な社会人として、保護者が学んだ勉強や、今の仕事に就いた理由、どんな人生を生きてきたかを話すのはよいことです。ただし、語りすぎると子どもの気持ちがついてこられないことも。子どもが知りたいと言った内容を話してあげるとよいでしょう。前ページまでのように、これからはさまざまな資質や能力を問われる時代ですので、ペーパーテストの成績や偏差値がすべてではありません。何より保護者が一喜一憂すると子どもが動揺するかもしれません。本人が落ち込んでいたら元気づける程度に。高校生ともなるとさまざまな悩みを抱き、落ち込んだりします。保護者や大人には話しかけてほしくない場合もあります。様子をみながら「話聞こうか?」など、本人が話す気になればいつでも聞く、見守っているという姿勢を伝えておくとよいでしょう。教育が変わりゆく時代に、保護者自身が知るため、進路について子どもに相談されたときのために調べておくのは必要なことです。しかし、子どものためなら別問題。主体性を育み、学習意欲を高めるためにも、進路先のことは本人が調べるように促しましょう。子どもの学校生活や、今の学校での勉強について保護者が関心をもつのはよいことですし、授業参観なども積極的に出るとよいと思います。でも、多感な子どもたちには保護者には知られたくないこともあります。詮索ではなく、見守りモードを心掛けましょう。13for Parent 2018

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