高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2018
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 晴れて高校生となったわが子の姿に、頼もしさを感じている保護者は多いでしょう。しかし、心身ともに高校生らしくなるまでには、少し時間がかかります。入学直後は通学方法や通学時間の変化、人間関係づくり、新しい授業への対応などで毎日ヘトヘトに。帰宅したら何もせずに寝てばかりという子どもも珍しくありません。 「やっていけるのかと心配もあるでしょうが、1学期いっぱいは、部活動を辞めさせるようなことはせず、食事面のサポートぐらいにとどめて見守ってあげてください。夏休み明けはだいぶ体力もつき、生活リズムが整ってくるでしょう」(堀先生) 1年秋は学力が大きく動く時期。1学期は勉強面がおろそかになっていた子どもでも、この時期に自宅学習を含めてしっかりした生活習慣ができることで、大きく成績を伸ばす例は多いといいます。 入学したばかりの1年生には、1学期中は新生活に慣れるのを焦らず支援進路は絞り込むより可能性を広げる方向で次年度の文理コースや履修科目について、現時点の希望を提出。秋に実施される再調査で、最終選択をする。だからといって「とりあえず」という気持ちで書くのではなく、興味分野や希望進路との関連をしっかり検討したうえで提出する。高校生活の立ち上がり状況や、初めての成績通知をふまえた学習面の課題について共有する。学年・クラスの1年間の指導方針について説明される。学校の雰囲気に触れておくことにも意味がある。学校行事紹介集会やクラス対抗レクリエーション、勉強の仕方レクチャーなどが実施される。学校・クラスへの帰属意識や学校生活への意欲を高める。生徒同士で対話したりグループワークを行ったりする、アクティブラーニング型の授業が増えている。個人の性格や興味・志向をもとに向いている学問や職業適性を診断する、外部テストを実施する学校は多い。結果が出たあと、適性があると診断された学問や仕事の中身について調べたり、自分の希望とすり合わせたりすることが大切。1学期を終え、生活リズムや体づくりが整う時期。子どもが自分で考え判断して行動するよう、少しずつ手放しを。夏休みを中心に多くの大学・専門学校でオープンキャンパスや高校生向け公開講座が開催されるので、各自で興味のあるイベントに参加する。学校によっては、参加数目標を設定したり、参加レポートを夏休みの課題にすることで、参加を奨励している。夕食・勉強開始・就寝の時間を一定にする「3点固定」を心掛けると、帰宅後の生活リズムを整えやすくなります。夕食時間については保護者の協力も必要でしょう。生活リズムづくりに協力初めてのテストの難易度や結果にショックを受ける子どもは少なくありません。似た学力の生徒の集まりのため、中学時代と異なる成績順位は当然。本人が前向きになれるような声かけを。初テスト後は前向きな声かけを入試改革の状況や、3年間の進路決定までの流れなどについて情報提供される。1年生保護者に合わせた内容が組まれるのでなるべく参加を。特に今年度の1年生は大学入学共通テストを初めて受験することになるので、最新動向の把握が大切になります。 【→参考p.4】保護者会はなるべく参加自ら発信することが求められるため、従来の座学型授業以上に主体的に学ぶ姿勢、深く考える力が養われる。中学時代よりも活動内容が生徒中心に。上級生が練習メニューやスケジュールを組む部活も多い。チーム全体のため自分たちで考え工夫し後輩に働きかける先輩たちの姿から、主体性、判断力、表現力を学ぶ。生徒の実行委員を中心として企画・運営。クラスや部活動のチームで力を合わせ、出し物を製作したり、競技に取り組んだりする。春に開催し、早い段階での仲間づくりに役立てる学校も。初の大型行事。意見がまとまらない、方法が見つからないなどさまざまな壁を仲間とともに乗り越えていく経験で、協働力、思考力、判断力が養われる。16for Parent 2018

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