高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2018
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一般入試を受験する子どもは体力的・精神的に最もきつくなる時期に突入します。ひたすら勝利を信じて応援する「サポーター」役に徹しましょう。併願校や受験スケジュールの決定、センター試験成功・失敗のシミュレーションなどについて相談。第一志望校の合格発表前に併願校の入学金納入締切があるなど、受験校数だけでなく受験スケジュール次第でかかる費用は変わってきます。入学金納入日も含めてスケジュールを把握し、必要な費用を準備しておきましょう。受験スケジュールを把握 最高学年である3年生は、学校行事や部活動で最も輝ける学年です。子どもに希望の進路をつかんでほしい保護者としては、「早く受験勉強に集中して」と急かしたいところですが、学校行事や部活動に一生懸命取り組むことは、必ずしも進路実現の邪魔ではないようです。「本校の生徒には、学園祭の準備を含めた数日間はいったん勉強のことは忘れて完全燃焼しようと言っています。それによって充実感や自信、仲間がいる心強さをもてれば、終了後はすっぱり意識を切り替えて勉強に集中できるからです。何事にも最後まで手を抜かずやりきる子どもなら、受験勉強も粘り強く頑張っていけるでしょう」(堀先生) ただし、放課後の過ごし方が変わる部活動引退後は、生活面に多少の目配りも必要。燃え尽きてぼんやりしている子どもには、うまく生活を切り替えていけるよう声かけするとよいでしょう。 また、進学費用については、保護者の出番です。子どもは家庭の経済状態についての勝手な思い込みから、志望を諦めてしまう場合も。「ここまでなら出せる」というラインを早めに明らかにしておきたいですね。 受験生にとって正念場となるのが10〜11月頃。毎週のように模試を受験し、体力的・精神的に最も苦しい時期となります。 「『この判定で大丈夫なの』『ちゃんと勉強しているの』などの言葉は不安や焦りを煽るだけ。たとえ偏差値や合否判定が厳しくても、保護者は『勝利を信じてひたすら応援するサポーター』役に徹して、『大丈夫!』と思い切り励ましてあげてください。この時期を乗りきることができれば、あとはもうやるしかないと覚悟を決めてラストスパートにかかれるものです」(同) こうして自分自身で選んだ進路へと一歩を踏み出す子どもたち。高校時代、保護者に見守られてきたという思いは、きっとこれから自分の足で歩んでいく子どもの力になっていくでしょう。行事や部活に完全燃焼後切り替えて受験態勢に受験直前は精神面が大事前向きな言葉かけを学校の自習室や個別相談をうまく利用して、最後まで諦めない姿勢を保つ。模試の結果などをふまえて、併願校を含めた受験スケジュールを立て始める。3年秋は模試が続く、いわゆる「模試銀座」。焦りやストレスがピークとなる時期だが、それにうまく対処するなかで進路実現に向けた「覚悟」が決まっていく。現役生は最後の模試の後にグンと伸びることもある。この時点での判定結果で諦めたり油断したりしない強い気持ちが求められる。3月初旬に開催する学校が多い。国立大学後期日程をはじめ入試は3月に入っても続いているため、進路が決まる前に卒業を迎える子どもも少なくない。※学校行事はモデルケースです。入試スケジュールは目安なので詳細は各大学・専門学校の発表をご確認ください。21for Parent 2018

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