高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2018
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 学生のアンケートを見てみても、「好きなことを選んで楽しかった」という人もいれば、「好きな科目だから選んだけど、実際は相当難しくなって今が大変で辛い」という人もいます。将来の仕事を見据えて選択したものの、結果「どっちの選択でも別に大学受験には関係なかった」という人もいます。いろいろ調べて選んだはずでも、やはり「失敗だった」と思う人も少数ですがいます。それだけ文理選択は、難しい選択です。 「最近の子どもたちは、何よりも失敗したくないという思いが強いと思います。だからこそ、本人が一番考えていて、悩んでいる。周囲の大人ができることは、日々ちょっとずつそんな思いを聞いてあげて、一歩踏み出すために〝大丈夫だよ〞と後押しをしてあげることではないでしょうか」(荻原先生)と、勇気の後押しを勧めます。同様に、釣島先生も、「どんな選択をしたとしても、大変なことはあるし、耐えなければいけないことも出てきます。そういうときに、自分で決めたと覚悟していることが何よりも大事です。そのための問いかけや、本人の考えを深めるために話して向き合う場をつくってあげてください」とアドバイスしています。一緒にゆっくり話を聞いてあげる時間を!大学生・専門学校生・浪人生にwebでアンケートを実施(有効回答者数310名)。実施期間:2017年12月20日~22日(調査協力:マクロミル)「何事にも興味をもち、挑戦してみるべきだった。将来について考え始めるのが少し遅かったような気がする」(岡山県・女子・経済学部)「今、大学がすごく楽しいから」(兵庫県・女子・文学部)「大学での授業に高校の内容が活かされているから」(高知県・女子・農学部)「結果、大学で学びたいことを学べている」(東京都・男子・情報学部)「実際に法律や政治を勉強してみると、思った以上に面白かった」(京都府・男子・法学部)「進路先が決まっていなくて得意科目が生物と英語だったので理系にしたけど、2年になって化学や数学Bが出てきたらちんぷんかんぷんになって、むしろ文系が得意科目に。文系受験に変更した」(栃木県・女子・教育学部)「結局、行きたい大学すべてが文理どちらでもよかったから」(北海道・女子・社会福祉学部)「どちらかというとバランス型で理系を選択。今、専門的な勉強は楽しいこともあるが、とても大変で苦労しているから」(東京都・男子・理学部)「決めるとき、何となくで決めてしまったので、もっと考えて決めればよかった」(宮城県・男子・農学部)「人の言うことを鵜呑みにせずに、ちゃんと自分で決めることと、その進路でどんな勉強をするのか調べてから文理選択すべき」(栃木県・女子・教育学部)「自分は理系科目が苦手で文系を選んだけど、センター試験では理系科目も受けなくてはいけない。得意・不得意だけで文理選択するのはよくないと思う」(大阪府・男子・商学部)※その他:「英語科」「音楽科」など26for Parent 2018

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