高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2018
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(校)2004006000履修系統図(カリキュラムマップ、カリキュラムチャート)の活用平成24年度平成27年度能動的学修(アクティブ・ラーニング)を効果的にカリキュラムに組み込む平成24年度平成27年度カリキュラム編成に当たり、企業等と連携する仕組みを設けている平成27年度■国立 ■公立 ■私立353353714623647.5%471754734963.1%407614530154.8%523695939570.1%154154251111820.6%社会に出て広く通用する力を育てるために各大学がカリキュラムと授業改善を進める年度初めに必修科目以外の選択科目から自由に選んで履修登録をし、大教室で講義を聞いて試験やレポートで単位を取り、4年の間に単位を積み上げて要件に達すれば卒業できる――。保護者世代が体験してきた大学教育のイメージとは、こうしたものではなかったでしょうか。しかし大学教育改革では、そうした在り方そのものが見直しの対象となりました。 文/教育ジャーナリスト 渡辺敦司予習・復習という学生の主体的な学習時間も含めて学びを修めた成果を認定するもの、という考え方からです。 文部科学相の諮問機関、中央教育審議会(中教審)は2012年8月のいわゆる「大学教育の質的転換」答申で、大学にALを積極的に導入するよう提言したのですが、実は、この答申を審議する過程で、大学教育の改革のためにも、高校教育や大学入試を一体で改革する必要があるという考え方が出てきました。実際、この答申が三村明夫中教審会長(当時)から民主党の平野博文文科相(同)に答申されると、返す刀で平野文科相から検討を諮問されたのが、高大接続改革でした。 また、下村博文文科相(同)が小・中・高校などの学習指導要領を改訂AL、ICT活用…様変わりする大学の教室 高校を選ぶとき、学校説明会などで「うちはアクティブ・ラーニング(AL)に力を入れています」と聞いた方も少なくないのではないかと思います。これからの大学入試では思考力・判断力・表現力が求められ、ALはそうした力を育てるものだ――という説明もあったかもしれません。 もともとALは、大学教育の用語でした。「能動的学修」と訳され、一方向的な講義形式ではなく、グループ・ディスカッションやディベート、グループ・ワークなどを取り入れ、能動的に学ばせる授業の総称です。なお、「学習」ではなく「学修」を使っているのは、大学の単位は授業の時間だけでなく、するよう中教審に諮問した時にも、ALが検討課題として盛り込まれました。ALは「主体的・対話的で深い学び」とされ単なる大学入学者選抜対策にとどまらず、「資質・能力の三つの柱」(知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等)の育成という学校教育全体の目標を達成するための有力な手法なのです。 〈図表1〉にある通り、ALをカリキュラムに組み込む大学は、答申を契機にぐんと増えました。〈図表2〉も含め、今や大学教育は漫然と先生の授業を聞いてノートを取っていれば済む時代ではないことがわかるでしょう。 大学におけるALは、「認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力」(質的転換答申に付けられた用語集)を育成する保護者のための最新大学教育事情カリキュラム編成上の具体的な取り組み平成24年度(N=743) 平成27年度(N=746)図表1 教育内容の改善の状況文部科学省「平成27年度の大学における教育内容等の改革状況について」より編集部作成(図表1~3)28for Parent 2018

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