高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2018
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(校)1002004003000(校)(校)10020020030040000教室の講義とeラーニングによる自習の組み合わせ、講義とインターネット上でのグループワークの組み合わせ導入平成24年度平成27年度携帯端末を活用した学生応答・理解度把握システムによる双方向型授業平成24年度平成27年度■国立 ■公立 ■私立平成23年度2112115214328.6%知識・理解2292294117364.7%汎用的能力2412414717668.1%知識の活用・課題を解決する能力1611613910745.5%態度・志向性1801804112750.8%平成25年度345345572925946.7%平成27年度354354543027047.5%■国立 ■公立 ■私立■国立 ■公立 ■市立学修成果として調査・測定を行っている事項学修成果として調査・測定を行っている事項16151815122702706118536.3%328643622844.0%1531533410920.6%2732734620636.6%24 1021卒業生像を明確に。そのための4年間を編成 こうした流れを受けて、汎用的能力の育成が、いよいよ大学教育全体の目標としてクローズアップされてきました。 その到達点が、「三つの方針(ポリシー)」改革です。アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針、AP)のみならずカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針、CP)、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針、DP)の三つを一貫させて策定・公表することが、2017年4月から全大学に義務化されています。 そこでは、まず大学が社会に送り出す卒業生(人材)像をDPとして明確化します。そのために4年間の学士課程(学部教育)でどのようなカリキュラム(教育課程)を編成し、授業を行えばいいかを示すのがCPです。そしてAPは、そんな4年間の教育を受けるにふさわしい学生像を明示するものであり、そうした学生になれるかどうかを判定するための入学者選抜のもとになるものです。 これまでの伝統的な大学教育は、厳しい入試で優秀な学生を入学させ、学問分野の専門教育や一般教育を単位積み上げ方式で4年間学ぶことにより、自然と社会で活躍できる社会ものとされています。大学の各授業では、その科目の専門的な学問を学んでいるようで、実はそれだけにとどまらず、論理的思考力やコミュニケーション能力など、社会に出てからも広く通用する「汎用的能力」も育成しているのだ、ということです。 〈図表3〉で、大学が学修成果として「知識・理解」に負けず劣らず「汎用的能力」を重視しているのも、当然なのです。人になれるという、ある意味で楽観的な見方があったと思います。その前提には、仕事上で必要な力は企業研修などで身に付けさせればよい、という考え方があったのも事実でしょう。 しかし今や実質的な「大学全入時代」が到来しているといわれる中、入試だけで学生の学力を担保するのは難しくなっています。一方で、企業などにも仕事に必要なスキルを何から何まで手取り足取り新入社員に教える余裕はなくなっています。卒業生のほとんどが就職することを考えれば、あくまで学問を通して学ぶという大学教育の根本を維持しつつも、専門知識だけを学ぶのではなく、社会に出ても役に立てる汎用的能力を、どの学部・学科でも育成しなければ、その大学は社会の信頼に応えることはできません。 今後、大学選びでも、どうやって入試を突破するかばかりでなく、入学後にどのような教育が行われ、その大学がどういう人材を社会に輩出しようとしているのかを見極め、それが自分に合っているかどうかを考慮する必要があるでしょう。その際、社会人の先輩としての保護者がアドバイスする余地は、大いにあるのではないでしょうか。情報通信技術(ICT)を活用した教育を実施する大学課程を通じた学生の学修成果の把握を行っている大学平成24年度(N=743) 平成27年度(N=746)(N=737)(N=746)(N=738)図表2 情報通信技術(ICT)の活用図表3 学生の学修成果の把握29for Parent 2018

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