高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2018
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for Parent 2018リアルな実感とコミュニケーションが生み出す、國學院の就職力國學院大學 Kokugakuin University保護者や学生が大学に寄せる「就職への期待」が高まりをみせる今、独自のキャリアサポート体制で存在感を増すのが國學院大學である。その戦略と狙いについて、同学就職担当事務部長の藤形正俊氏に話を伺った。取材・文/酒井 摂32(左上)キャリアサポート課では、業界ごとに特化した職員が、学生たちの就職活動をトータルにサポートしている。(右上)キャリアサポート課には、毎年秋になると『内定者アドバイザー』が日替わりで常駐。人気の高いエアラインや旅行、金融業界などから内定を得た4年生が、3年生にアドバイス等を行っている。2017年度は各業界に内定した30名がアドバイザーを務めた。また、伝統校ならではの人脈を活かした『OBOGアドバイス会』もある。(左下)渋谷・表参道・恵比寿の3駅からのアクセスが可能な「渋谷キャンパス」は、就職活動の際もアドバンテージとなる立地だ。就活のモチベーションが上がる心躍る仕掛けとは「優良企業と学生との接点を数多く用意し、やる気になった学生には最高のパフォーマンスが発揮できる場を惜しみなく提供していく。それが、本学のキャリアサポートです」。そう話すのは、國學院大學の就職担当事務部長・藤形正俊氏である。リクルート出身の藤形氏は同社事業部長等を歴任したのち、大学に転身。主にキャリアサポートの分野でモチベーション・マネジメントの専門的な知見を活かした活動を行っている。藤形氏が多くの学生と向き合う中で見えてきた、今の若者の姿があるという。それは日本のバブル崩壊後に生まれた彼らが向ける「働くこと」へのネガティブな視線だ。藤形氏は次のように説く。「働く現場に行けば、とてつもないバイタリティでビジネスをする人や、大きな使命感を持って職務を全うする人など、まさにモチベーションの塊のような職業人に会うことができます。しかし、体感する機会を持たない学生には、それを想像すらできません。この後ろ向きの姿勢を変えるためのリアルな情報や体験にふれる場が、キャリアサポートには欠かせないのです」視野を広げ、気付きを得る 『業界セミナー』の熱気そこで國學院大學のキャリアサポートでは「リアル」をキーワードに、就職活動に向かう学生のマインドをポジティブに変えるためのさまざまな仕掛けを用意している。その好例が、3年生の就職活動が本格始動する秋に開催の『業界セミナー』だ。これは各業界のトップ企業を学内に招き、2カ月間ほぼ毎日開催している。2017年度は93社が登壇し、延べ7500人の学生が参加。現場にいる当事者から臨場感あふれる話を聞けば「絶対に面白い」BtoB業界の話や、異業種2社の人事担当者による特別対談など、会場は連日、学生たちの熱気に包まれた。ここで多様な業界の最新動向やビジネスの仕組みにふれることは、学生にとってそれまで気付かなかった業界や企業に出合うチャンスとなるのである。さらに特筆すべきは、これを企画・運営し「情報を足で稼ぐ」キャリアサポート課の活躍であろう。同課では総勢9名の職員が自ら一社一社訪問して調べた情報を基に、独自基準

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